Bメロの作り方(作曲においてBメロでメロディやコード進行を作るためのコツについて)

日頃から作曲を教えていると、

Bメロをどう作ればいいのかがわかりません
という声をよく耳にします。

確かに、曲の顔となるサビや導入部のAメロに比べるとBメロは存在が曖昧で、いざ作ろうとしてもどう進めていいか迷ってしまうものです。

というわけで、こちらではそんなBメロの作り方について、より具体的に解説していきます。

是非曲作りの参考にしてみて下さい。

前提:曲形式について

まず、前提として曲には「形式」という概念があります。

※関連ページ
Aメロ・Bメロ・サビなどの意味と、それらを活用した「曲の形式」の例

上記ページでも解説している通り、楽曲は同じ雰囲気を持ったメロディやコードをひとつのまとまりとして聴かせ、そのブロックを展開させることでストーリーを演出します。

さまざまな曲において、ブロックのつながりや場面転換にはいくつかの決まったパターンがあり、中でもポップス・ロックでは主に以下二つの曲形式がよく活用されています。

  1. A-B-C(サビ)
  2. A-B

1.「A-B-C(サビ)」型

近年のポップスで最もよく活用されているのが、「Aブロック」「Bブロック」「Cブロック」という三つのブロックが順番に登場して切り替わっていく形式です。

冒頭でご紹介した「Bメロをどう作ればいいのかわからない」という方の多くは、こちらの形式におけるBメロの作り方に頭を悩ませていることがほとんどです。

このアレンジ型として、曲の冒頭にサビを配置して「つかみ」としたり、Bメロを二段構えのようにしたり、というやり方もあります。

2.「A-B」型

前述の「A-B-C(サビ)」型が大きく三つのブロックを持っていたのに対し、こちらは主に「A」「B」という二つのブロックにより曲を構成させる形式を指します。

それぞれのブロックを「表と裏」「明と暗」のように、相対するものとして作り込むやり方は、洋楽などでよく見られます。

また「B=サビ」として捉え、「A-B-C(サビ)」型をコンパクトにしたものとして作り込むこともできます。

「A-B-C(サビ)」型におけるBメロの作り方詳細

ここからは、主に前述した二つの形式のうち、多くの人が取り組んでいる「A-B-C(サビ)」型におけるBメロについて考えていきます。

Bメロの方針をきちんと立てる

「A-B-C(サビ)」型におけるBメロは、導入部である「Aメロ」と、曲の中で最も盛り上がるブロック「サビ」の中間に位置しています。

Bメロを制作する際には、まず「Bメロの存在をどのようなものとして捉えるか」という方針を立てることが大切で、それによりやるべきことが若干変わります。

この「Bメロの存在をどのようなものとして捉えるか」という点について、主に以下のような方針を検討することができます。

  • 「A」の流れを適度に引き継いで「サビ」へのつながりを演出する
  • 「A」とはまったく違ったものとして「B」で大きく場面転換する

「場面転換」について

上記二つの方針を考えるうえで共通するのが「場面転換」の概念です。

「Bメロ」というひとつのブロックを聴かせる場合には、いずれにせよそこに場面転換の意図が含まれ、それをどう演出するかがBメロを作る際の鍵となります。

また、上記で挙げた方針のそれぞれは「場面転換を大きくするか・小さくするか」とも言い換えることができます。

ブロックを構成する要素を変えると場面転換が明確になる

場面転換は、ブロックにて行われていることが変わるほど明確になります。

この「ブロックにて行われていること=ブロックを構成する要素」には、例として以下のようなものがあります。

  • 使われているコードの種類
  • コードチェンジのタイミング
  • コード進行ひとまとまりの大きさ
  • メロディの音階
  • メロディのリズム
  • メロディの始め方
  • メロディの大きさ
  • ブロック全体の大きさ
  • 空白の数

例えば、「キー=C」におけるAメロが

「C→F→G」
というようなコード進行で始まっていた場合、Bメロを同じく
「C→F→G」
と始めてしまうと、それぞれは全く同じコードの響きを持ってしまうため、Bメロにブロックが展開したことを明確に示せません。

それとは反対に、Bメロ冒頭を

「Dm→Em→F」
のように作り込めばそこで違った響きが生まれ、それまでとは違うブロックに展開したことをより強くリスナーに伝えることができます。

これが「場面転換」と、ブロックを構成する要素が変わるほど場面転換が明確になる、ということを意味するものです。

これ以降では、既にご紹介した二つの方針それぞれについてより詳しく考えていきます。

1.「A」の流れを適度に引き継いで「サビ」へのつながりを演出する

まず、多くの曲で導入されているのが「『A』からの流れを適度に引き継ぐ」という方針です。

具体的には、メロディやコード・曲調などにある程度の共通性を持たせて、Aメロによって始まった曲のストーリーを上手く引継ぎ、盛り上げつつサビへ展開させるやり方のことを意味しています。

これは言い方を変えれば、Bメロを「橋渡し」のような存在として捉えること、ともいえるでしょう。

キーを維持しつつコードを変える

大半の曲がそうなっているように、この場合のBメロでは、Aメロからの流れを引き継ぐため曲のキーが維持されます

つまり、これは「同じキーのダイアトニックコードにあるコードを使うこと」を指しますが、ここでポイントとなるのが前述した「場面転換」です。

リスナーには、Aメロからの流れを引き継ぎつつも

「Bメロに場面転換しましたよ~」

という点をはっきりと提示すべきであるため、ブロック冒頭で使われるコードは基本的に変えるべきです

中でもコードの機能を変えると場面転換はより明確になり、それは

  • Aメロ冒頭はダイアトニックコードの一番目(I)のコード=トニックの機能を持つコードを使っていた
  • Bメロ冒頭では四番目(IV)のコード=サブドミナントの機能を持つコードを使用する

というような観点でコードを選ぶことを意味します。

※コードの機能について、詳しくは以下のページをご確認下さい。
ダイアトニックコードとスリーコード(成り立ちとコードの役割などについて) 代理コードについて(マイナーコードをスリーコードのかわりに活用する)

特にBメロは展開部であり、反面でサビやAメロの冒頭がトニック(I)で作り込まれることが多いため、Bメロ冒頭にはそれと違った機能を持つ「サブドミナント」のコードが使用されることが多いです。

これは、具体的にはダイアトニックコードの「IV」や「IIm」のコードのことを指します。

※「キー=C」における「F」や「Dm」など

要素を変えつつ、ある程度の共通性も持たせる

これ以外にも、場面転換を提示するためにブロックを構成する要素をいくつか変えることが検討できます。

つまり

  • Aメロが「タタタ…」と刻むようなメロディだったから、Bメロは「ターー」と伸ばすようなメロディにする
  • Aメロが4拍単位でコードを切り替えていたから、Bメロは2拍単位でコードを切り替えるようにする
  • Aメロはメロディが詰まっているから、Bメロはメロディの間に空白を設ける

というようなやり方によってBメロを作り込む、ということです。

とはいえ、ここでのBメロの基本的な方針は「Aメロの流れを適度に引き継ぐ」という点にあったため、そこには程良く共通性を持たせることも大切です。

具体的には、AメロとBメロそれぞれにおいて

  • メロディのリズムを変える⇔音階は似たようなものにする
  • コードの種類を変える⇔コードチェンジのタイミングは同じにする
  • ブロックそのものの大きさを同じにする

などのやり方が検討できます。

AメロとBメロで共通する部分が多いほど流れを引き継ぐことができますが、既に述べた通りやりすぎるとそれぞれは似たものだと感じられ、場面転換が希薄になります。

すなわち「共通」と「相違」のそれぞれを程良く混ぜる、ということがこの場合のポイントとなります。

2.「A」とはまったく違ったものとして「B」で大きく場面転換する

二つ目として挙げた方針は、場面転換をより大きくするものです。

こちらも基本的な考えは前述したものと同じで、ブロックの要素を変える程に場面転換は明確になっていきます。

転調やモーダルインターチェンジで音使いを変える

こちらの方針では特にはっきりとした場面転換が求められるため、そこでは「音使いそのものを大きく変えること」も検討できます。

ここで導入できるのが「転調」「モーダルインターチェンジ」という概念です。

※関連ページ
転調(1)転調の概要(転調とは中心音とそのグループを変えること)と調の種類 モーダルインターチェンジの解説(モーダルインターチェンジとは何か?その使用方法や効果など)

それぞれの詳しい解説は上記ページに譲りますが、これらの手法を活用することによってそもそも使用されている音のメンバーが大きく変わることになります

結果としてサウンドにもそれまでとは違った響きが生まれ、それが強い場面転換を感じさせる仕掛けとなるのです。

テンポやリズムを変える

場面の切り替わりをはっきりとさせるために、テンポやリズムを変えることもできます。

これは具体的には

  • 「BPM=100」のAメロの後に「BPM=130」のBメロを盛り込む
  • 「四拍子」のAメロの後に「三拍子」のBメロを盛り込む

などのやり方を指します。

これらが検討できる反面で、そもそもテンポやリズムはその曲に一貫性を持たせる重要な要素であるため、無計画にそれを実施してしまうとそれがリスナーを混乱させることにもつながってしまいます。

そのような意味から、テンポやリズムの切り替えを実施をするうえではきちんとした作り込みが必要だといえるでしょう。

※関連ページ
作曲に活用できるリズムの種類(曲作りの幅を広げる)

サビを意識した作り込みについて

既に述べたとおり、「A-B-C(サビ)」型におけるBメロはその後に「サビ」を控えており、そこではサビへの流れをどう演出するかという観点も求められます。

「サビへのバネ」を盛り込む

多くの曲におけるBメロでは、その後に登場するサビをより印象的なものにするための準備部分が盛り込まれています。

これを、私は「サビへの突き抜けを演出する部分=サビへのバネ」と表現しています。

以下は、既存の曲における「サビへのバネ」に相当するフレーズの例です。

  • 『恋するフォーチュンクッキー』(AKB48)「カモンカモン…占ってよ」
  • 『世界に一つだけの花』(SMAP)「そうさ僕らは」
  • 『瞳をとじて』(平井堅)「Your love forever」

ここに挙げた三つとも、その部分のフレーズだけが特徴的な節回しになっており、かつサビ冒頭に向けての景気づけのような存在となっていることがわかります。

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仮に、この「サビへのバネ」のフレーズが無い状態でそれぞれのサビへつながることを想定すると、なんとも味気ない感じがしてしまいます。

このように、Bメロの最後(サビ直前)にはなんらかの「サビへのバネ」を盛り込むことが検討でき、それがサビをより印象付けることにつながります。

「サビより盛り上がらない」という観点を持つ

サビを意識するうえで、もう一つ導入できるのが「サビより盛り上がらない」という観点です。

これは、あらかじめサビが思いついている場合などに用いられる手法でもあり、曲によってはサビを目立たせるためあえてBメロを無味乾燥なものに仕上げるやり方もとられることがあります。

一般的にサビのメロディやコードが動きのあるものになることを前提とすると、Bメロは

  • メロディの音域を狭くして音階の起伏を減らす
  • メロディのリズムを単調にする
  • メロディに空白部分を多く設ける
  • コードチェンジの切り替えを少なくする

などの方針によって、動きの少ないもの(=印象に残りづらいもの)にすることが検討できます。

また、これらはAメロで始まった曲の勢いをBメロで失速させてしまうことにもつながるため、導入には注意が必要です。

まとめ

ここまでBメロの作り方について、さまざまなパターンを例に挙げながら詳しく解説してきました。

既にご紹介したように、「どうすればいいかわからない」という悩みのほとんどは、それを作るための方針がしっかりと定まっていないところにあります。

Bメロを作る際にも、まず「ブロックをどのようなものとして聴かせるか」をはっきとりさせ、それに沿ってメロディやコード、ブロックそのものの構成を組み立てていけばやるべきことが明確になります。

いろいろな曲のBメロをメロディやコードなどの面から紐解き、「A」「サビ」などとの関連性を踏まえつつ分析してみると、それを「どのように組み立てていくべきか」が次第に見えてくるはずです。

Bメロの制作には自由な発想を持つことも大切です。