バラードの作曲方法について(感動的な雰囲気、緩やかなテンポ、優しい雰囲気、アクセントが強くないリズムなど)

こちらのページでは、作曲の中でも「バラード」に分類される曲を作るためのアイディアや、その例、コード進行などについて考えていきます。

「バラード」の定義

「バラード」の定義は人それぞれですが、一般的に多くの人が「バラードの曲」だと感じる要素には、以下のようなものがあります。

  • 緩やかなテンポ
  • 優しく柔らかい雰囲気のあるサウンド
  • アクセントが強くないリズム
  • 感動的な歌詞

曲を作る際にはこれらを念頭に置き、上記の要素を聴かせるよう意識的に曲を作り込むことが求められます。

「バラード」の曲を作るための実践的アイディア

1. テンポをゆったりしたものにする

まず、バラードの作曲を考える際にもっとも手軽に、かつ効果的なものとして活用できるアイディアが「テンポを落とす」という方法です。

多くの人の中は

バラード=「ゆったりしたテンポを持つ曲」

と結び付けていることが多く、バラードを作りたいと考える時は何よりもまず曲のテンポをゆったりとしたものにすべきです。

一般的には「BPM=100」(1分間に100拍)のテンポがミドルテンポの基準とされており、それよりも遅いテンポの曲はリスナーに「ゆったりしている」と認識されます。

そのうえで、バラードに分類される曲の多くは「BPM=80」以下のテンポを持っていることが多く、そのあたりが一つの目安となりそうです。

リズムによりテンポから感じられる印象は変わる

前述したテンポから受ける印象は、それをどのようなリズムによって表現するかによって違ったものとなります。

より具体的にいえば、アクセントが細かくなるほど曲は軽快なものに感じられ、反面でアクセントが減るほど曲はゆったりしたものに感じられるのです。

ここから、「テンポはリズムによって確定すべき」だということがわかります。

つまり、

  1. どのようなリズムを持った曲にするか、をまず考える
  2. 上記に最適な「ゆったりしている」と感じられるテンポを「BPM=80」を目安に確定する

という手順で、曲のテンポを定めていくやり方がより望ましい、ということです。

2. メロディの間に空白を多く盛り込む

二つ目のアイディアは、メロディをあまり敷き詰めすぎず、空白となる部分を多めに盛り込むというやり方です。

リスナーは曲と向き合う際、もちろん基本的にメロディにおける「音の鳴っている部分」を聴いていますが、それと同時に「メロディの間に存在する空白」の存在も感じ取っています。

それを意識的に多く盛り込むほど、メロディは落ち着きのあるものとなり、冒頭で述べたような「優しく柔らかい雰囲気」がそこから感じられるようになるのです。

※関連ページ
作曲のコツ|メロディに空白を設けて聴きやすさやメリハリを生む

場面転換の観点からメリハリをつける

空白を増やし、アクセントを減らすほどメロディは動きの少ないものとなりますが、それをすべてのメロディにおいて行うと、曲は起伏の少ないものだと感じられてしまいます。

メロディを優しい雰囲気を持つものにしつつ、その上で曲をきちんと聴きごたえのあるものにするためには、「ブロックごとの場面転換」を意識すべきです。

具体的には

  • Aメロは導入のブロックとして、特に空白をしっかりと設けてメロディの動きを少なくする
  • サビは印象的なブロックとして、メロディの間にある空白を少し減らす

というような観点でメロディを作り込むことが求められます。

3. 四和音以上のコードを活用する

冒頭で述べた、バラードの持つ「優しい雰囲気」を表現するため、四和音のコードを活用することも検討出来ます。

これは、具体的には「C」「Dm」などの三和音コードではなく、それらに7度の音を加えた「CM7」や「Dm7」などを活用することを指します。

※関連ページ
セブンスコード(四和音コード)の成り立ちや意味などについて

響きを多彩にし、柔らかさを生む

基本的に、コードの構成音が増えることによって、リスナーがそこで聴くことのできる響きは多彩になります

例えば

Dm → G → C → Am

と単に三和音を使ってコードをつなげるよりも、これらを四和音として

Dm7 → G7 → CM7 → Am7

としたほうが、サウンドにリッチな雰囲気が含まれます。

ここで例として出している「C」や「Dm」には構成音が三つしかないためサウンドはシンプルで、和音が塊で響くような印象を与えます。

それに比べ、四和音のコードは響きが若干ぼやけて、そこに柔らかさのようなものが生まれるのです。

いろいろな「バラード」

ここまでにバラードを構成する要素とそれを盛り込んだ作曲について解説してきました。

実際のところ「バラード」といわれる曲の多くはさらに細分化されており、上記で述べたような要素をただ盛り込めばそれがバラードになるのかといわれると難しいところがあるのも事実です。

例として、以下はマイケル・ジャクソンの名バラード「Heal The World」です。

この楽曲は、既に述べた「緩やかなテンポ」「優しく柔らかい雰囲気のサウンド」「アクセントが強くないリズム」などを持っており、バラードとしての典型的な曲調となっています。

その反面で、例えば以下はバラードの名作として知られているシカゴの「Hard To Say I’m Sorry」ですが、実際に聴いてみると思いのほか力強いサウンドが盛り込まれているとわかります。

また、以下はビートルズがリリースしたバラードの名曲「Let It Be」ですが、こちらは伸びやかなメロディラインや深みのあるゴスペル調サウンドで作り込まれています。

上記すべての曲が緩やかなテンポを持っているものの、メロディライン・コード・サウンドなどはそれぞれに特徴があり、共通点を見つけるのが難しいと感じます。

その一方で、歌詞を始めとする感動的な雰囲気には重きが置かれており、そう考えると「バラード」は「感動的な曲」とも定義出来そうです。

感動的なコード進行やメロディのパターン

上記で述べた「感動的な雰囲気」は、コード進行によってある程度演出が可能です。

以下のページではそのようなムードを持ったコード進行をまとめていますので、是非活用してみて下さい。

「泣ける!」コード進行 全10パターン 感動的な曲、心にグッとくる曲にするためのおすすめコード進行

また、メロディのさまざまなパターンについては以下のページでご紹介しています。

メロディのパターン・種類を考える|音階やリズムによる17のアイディア

これらをもとに、冒頭でご紹介したような「バラードの要素」を踏まえながらコード・メロディを組み立てることで、いわゆる「バラードとして認識されるような曲調」を作り上げることが出来るはずです。

まとめ

以下は、ここまでに解説したバラード作曲に関するまとめです。

  • テンポをゆったりしたものにする
  • メロディの間に空白を多く盛り込む
  • 四和音以上のコードを活用する
  • 歌詞やメロディ・コード進行などにより、特に感動的な雰囲気を重視する

既に述べたように、バラードを明確に定義するのは難しいものですが、これらを参考に自分なりの「バラード」を作り上げてみて下さい。

名曲を分析することで、バラードの理解を深めましょう。