作曲におけるテーマの決め方|テーマを決めると作曲しやすくなる(やることを絞りイメージを膨らませる)

作曲の先生として活動している内山です。

作曲初心者の人に多いのが、

なんとなく作曲に取り掛かって、やるべきことを見失ってしまう

という状態です。

これを改善する方法として、前日以下のツイートをしました。


曲を作るとき、「夏ソング」とか「和風な感じ」とかテーマを決めると作業を進めやすくなります。それは簡単にいえばイメージを膨らませやすくなるからですが、なんとなく作曲をやって散漫になってしまう人は、そのようにあえてやることを絞り込むのもひとつの手です

ここで述べている通り、作りたい曲の雰囲気=「作曲のテーマ」を事前にある程度定め、それを道しるべにすると作業の方向性を明らかにすることができます。

結果として作曲を進めやすくなり、曲は統一性の保たれたいわゆる「良い曲」になっていきます。

こちらでは、そんな「作曲のテーマ」として挙げられる代表的なものや、それに沿って作曲をする方法について詳しく解説していきます。

「作曲のテーマ」の例

ここで取り上げる「作曲のテーマ」とは、簡単にいえば「その曲の存在意義や曲調」のようなものです。

より具体的には、

  • 特定のシーンや用途
  • 特定の人
  • 特定のジャンルや曲調

などがそれにあたります。

それぞれについて、より具体的にご紹介します。

作曲のテーマ(1)特定のシーンや用途

まず、「作曲のテーマ」として真っ先に思い浮かぶのが「特定のシーンや用途」にあたるものです。

以下は、その一覧です。

  • 季節を感じさせる(夏っぽい雰囲気、春を感じさせる曲、など)
  • 悲しい/切ない雰囲気を感じさせる
  • 応援歌、人に勇気を与えたり元気づける
  • イベントやシーンに似合う(卒業ソング、朝に聴きたい、など)

前述のツイートでも述べていた「〇〇ソング」なども、こちらに分類されますが、この「特定のシーンや用途に似合う曲」がどんな要素によって成り立っているかは、実際のところ人によってもさまざまです

これらを作り上げるためには、上記を踏まえた「そのテーマを満たす曲調や要素」(※後述)を事前にある程度把握しておくことがポイントとなります。

作曲のテーマ(2)特定の人

作曲のテーマとしてもう一つ挙げられるのが、特定の誰かをその曲の対象とするやり方です。

一般的には

  • 〇〇さんに聴いてもらう曲
  • 〇〇さんが好きそうな曲

のようにその誰かを設定できますが、これらはそこから、

  • 友達を元気づける
  • 好きな人に告白する

などの目的にもつながるため、ある意味で前述した「特定のシーンや目的」を設定するやり方とも解釈できます

また、同じような観点からその「〇〇さん」そのものをイメージして、その人柄や置かれている状況などを曲調に転化させることもできます。

作曲のテーマ(3)特定のジャンルや曲調

最後のひとつが、曲そのものを特定の音楽ジャンルや曲調に紐づけてそれをテーマとしてしまうやり方です。

これは、例えば

  • ロックな曲
  • R&B風の曲
  • カントリー調の曲

などを指し、また明確なジャンルに分類されないものでも

  • オシャレな雰囲気の曲
  • ほのぼのした曲
  • 力強い曲

などの曲調(=その曲が持つ雰囲気)を連想することもできます。

前述した例と同じく、これらを満たすためにはそもそもそのジャンルや曲調の音楽がどのような要素によって成り立っているかをきちんと捉えておくことが必要です。

各テーマが持つ要素を把握する

上記で述べた「作曲のテーマ」を満たすためには、前述した通り

設定したそのテーマがどのような要素によって成り立つか

をきちんと把握しておく必要があります。

この点に関しては、以下のページでも解説しています

曲調の種類や例(音楽の種類にも通じるジャンル的曲調の分類・情緒的曲調など)

例:「夏に似合う曲」

例えば「夏に似合う曲」というテーマを設定した場合、そこではイメージできる「夏」のシーンから以下のような要素が連想されます。

  • 太陽の日射しを感じるような明るい響き
  • 屋外で汗をかいて盛り上がれるアップテンポの曲調、縦ノリのリズム
  • 人でにぎわうイベントや場所がイメージできるサウンド・リズムの多彩さやせわしなさ

これらが事前にイメージできれば、曲のメロディ、コード進行、リズム、構成などをそのような観点から作り込むことができます。

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また、より直接的には歌詞に「夏」を感じさせる言葉や情景描写を盛り込むこともできます。それらは「作詞」の作業に相当するため、こちらでは割愛します。

上記は表面的な「夏」のイメージを曲調に置き換えたものですが、やり方によっては例えば

  • 夏の夕ぐれ:ゆったりとしたテンポ、落ち着いたサウンド、バラード風の曲調
  • 都会的な夏の雰囲気:音数を多く盛り込んだ大人びたサウンド、やや複雑な曲構成
  • 人の少ない野山などの夏の描写:音数を減らしたシンプルなサウンド、単純な形を持ったメロディ

なども連想することができます。

すなわち、ひとえに「夏」といってもその解釈の仕方はさまざまで、そこからどのような雰囲気をリスナーに感じてもらうかをより掘り下げて設定しておく必要がある、ということです。

例:「ロックな曲」

上記で述べた内容は、特定のジャンルを作曲のテーマにする場合も同じです。

例えば「ロックな曲」を作りたい場合には、まず以下に挙げるような「ロック」特有の性質を挙げることができます。

  • 激しい
  • 力強い
  • シンプル

そのうえで、これらを土台とした曲の要素がイメージできます。

ロック=激しい
  • メロディの音階の上下が大きい
  • アップテンポ
  • コードチェンジの回数が多い
ロック=力強い
  • リズムのアクセントが強い
  • 印象的なフレーズを何度も繰り返す
ロック=シンプル
  • 音階の変化が少ない
  • 使われているコードの数が少ない
  • 曲構成が単純

もちろん、人によって「ロック」の解釈が違うのは前述した「夏に似合う曲」と同じです。

それも含め、単なる「ロックな曲」というテーマにとどめず、それを曲の持つ要素に置き換えることが大切です。

曲分析を通して「作曲のテーマ」に対する理解を深める

上記でご紹介した「作曲のテーマ」について深く理解するためには、既存の曲をそのような観点から分析するのが一番です

より具体的には、例えばある曲を聴いて「この曲を聴くと元気が出る」と感じた場合、

曲の中にあるどんな要素が、その「元気」を感じさせているか?

を分析によって紐解く、ということです。

それによって、例えば「元気」の理由が

  • リズムが軽快で体が勝手に動いてしまう
  • 使われているコードの響きが明るい
  • メロディの形がシンプルで明快

などにあると自分なりに分析できれば、それらをそのまま「元気が出る曲」の要素として把握することができます。

そこから、そのような内容を作曲のテーマに据えた場合、すんなりと曲調がイメージできるようになるのです。

以下のページでは、作曲上達に対する曲分析の有益性について詳しく解説していますので、興味のある方は是非ご覧になってみて下さい。

「曲分析」を習慣にすると作曲が上達する、というお話(曲分析の概要や効果などについて)

まとめ

ここまで「作曲のテーマ」について詳しく解説しましたが、ページ冒頭でも述べた通りそれらは曲作りの道しるべとなり、作業の進めやすさにつながります。

これに関連するものとして、他にも以下のようなツイートをしています。


すべての創作にいえることですが、なんとなくやったら「なんとなく」の仕上がりになります。「なんだかありきたりで普通な曲になっちゃうな〜」と悩んでいる場合、なんとなくやっているならそれは当然です。きちんとした曲にするには、方針や戦略や意図のようなものを曲に盛り込むことが欠かせません

ここで述べているように、良い曲を目指す以上ただなんとなくやるだけではやはりだめで、そこには「方針」や「意図」が必要となります。

こちらでご紹介した「作曲のテーマ」をそれに活用し、目的のある曲作りを心掛けてみて下さい。

事前に「〇〇な感じの曲」と少し考えるだけでも、曲の仕上がりは大きく変わるものです。