よく、複雑なコード進行を見ると
とあこがれを持ってしまうことがあるはずです。
という方のために、こちらのページでは「コード進行を作れるようになるための勉強方法」について解説してみます。
勉強を経て、目指すところは
- 自分で思いのままにコードをつなげてコード進行を作れる
- 個性的で聴きごたえのあるコード進行を生み出せる
などの状態です。
現在この「コード進行を作る」という点を課題だと感じている方は、是非参考にしてみて下さい。
目次
コード進行を作るために必要な事柄
魅力的なコード進行を思いのままに作れるようになるためには、主に以下二つを知っておく必要があります。
- 音楽理論(コード理論)
- コード進行のさまざまなパターン
このうち「1」の音楽理論は、コード進行を意図的に組み立てたり、作るスピードを早くするために必要なものです。
また、「2」として挙げた「コード進行のパターンを知る」ということももちろん必要で、これは純粋に作れるコード進行の引き出しを増やすと共に、音楽理論を実用的な形として理解することにもつながります。
つまり、コード進行を勉強するにあたってはこれら2つについて理解を深めることを目的とすればいい、ということがいえます。
「実際に作る」という行為が大切
もちろん、コード進行を思いのままに作れるようになるためには「実際に作ってみる」ということも欠かせません。
言い方を変えれば、上記で挙げた知識をだた勉強するだけですらすらとコード進行が作れるようになるわけではない、ということです。
勉強のあとには必ず「実際に作る」ということが必要となるため、この点はコード進行の勉強とセットになるものと認識して下さい。
1. 音楽理論の勉強
まず、コード進行を意図した通りに作るための土台となる知識が「音楽理論」です。
これは「コード理論」ともいえるものですが、「音楽理論の学習」とは、具体的には以下のような知識を得ることを指します。
- コードがどのような音によって成り立っているか
- コード進行がどのようなルールに沿って作れらるか
- ルールをどのようにアレンジすると心地良さを生むことができるか
音楽理論とはいわばこれらを体系的に整理した情報です。
これらを知ることで、上記でも述べた通りコード進行を理論的な解釈によって、意図的に組み立てることができるようになります。
これは、行き当たりばったりな作業を減らし、常に水準以上の結果を出すことにつながります。
このような点から、「音楽理論」はコード進行を作るための「取り扱い説明書」のようなもの、とも捉えることができます。
またあわせて述べたように、上記は作業スピードを早めることも意味しており、それが多くの皆さんのイメージする
という状態を実現します。
まとめると、
ということです。
何を勉強するか?
音楽理論を学ぶうえで疑問となるのが「何を勉強するか?」という点です。
これについては、以下のページでも詳しく解説しています。
音楽理論を知りたい人のための「学習の見取り図」※独学に活用できる「音楽理論の何をどの順番で学べばいいか」のまとめ
ポップス・ロックの作曲において、特にコード進行を作ることに特化するとそこで必要となる音楽理論の知識は
- 音使いとコードの成り立ち
- コード進行を作るための基礎理論
- 上記基礎理論を発展させた応用理論
などです。
この「何を」についての詳しい解説は上記ページで行っていますので、あわせて参考にしてみて下さい。
どう勉強するか?
音楽理論は「理論」なだけあって、やはり内容によっては難しいものだと感じられてしまうことが多いです。
特に一人でそれを学ぼうとすると訳が分からなくなって学習に挫折してしまう方も多く、それがいつまで経っても感覚だけで適当に音楽を作っている状態につながってしまいます。
そのような意味からどう勉強するかが特に大切で、自分にあった学び方をみつけることが理解を深めるためのポイントとなります。
おすすめは「人から習う」
私が一番にお勧めしているのが「人から直接習う」というやり方です。
独学では行き詰ってしまうような少しレベルの高い内容も、人から直接説明を受け、わからないことを質問したりしながら学べば思いのほかすんなりと理解できるものです。
人から習う方法は、学びたいことに特化できる利点もあります。
知人から教わったり、スクールに通ってみるなどして、負担をかけすぎず直接習える方法を模索してみて下さい。
ネット・本などによる勉強
それ以外の勉強方法として思いつくのが、ネットや本などを活用するやり方です。
特に最近は音楽理論系の動画も多数アップされており、難しい理論をとてもわかりやすく解説しているコンテンツも沢山あります。
また、何といってもネットの利点は「お金がかからない」という点にあります。
そのような手軽さは、音楽理論の勉強を継続させるために大きな意味を持つはずです。
2. コード進行のさまざまなパターンを知る勉強
前述した音楽理論とあわせて必要となるのが、既に述べたとおり「コード進行のパターンを知ること」です。
この点について理解を深めるためには、既存の曲のコード進行を分析的な視点から紐解くように勉強するのが最も効果的です。
コード進行を分析する
上記は、いわば「コード進行の分析」とも呼べる作業です。
▼関連ページ
コード進行分析の方法 アナライズの手順とコツ・注意点などの解説(キー判別、理論的解釈など)
コード進行分析の手順やポイントについて詳しくは上記ページにて解説していますが、特にコード進行を作れるようになるためには
↓
というサイクルを回していくことが大切です。
「音楽理論」だけ、または「既存の曲のコード進行を知る」だけではだめで、それぞれを結び付けて理解することに意味があるのです。
コード進行の成り立ちを理解すれば、自分でも作れるようになる
この点については、先日以下のような投稿をしています。
CM7(9)→D7(9)→Dm7(9)→G7(13)
のようにごちゃごちゃしたコードの展開も、装飾を除くと
C→D7→Dm→G7
になり、これは結局は
C→Dm→G
で、つまり
C→F→G
なので全然大したことないです。
— うちやま|作曲の先生 (@sakkyoku_info) February 19, 2023
のようにごちゃごちゃしたコードの展開も、装飾を除くと
C→D7→Dm→G7
になり、これは結局は
C→Dm→G
で、つまり
C→F→G
なので全然大したことないです。
ここで例として挙げている
というコード進行は、一見すると複雑なものに感じられますが、この投稿でも述べているように、ここから「M7」「9」「13」などを外せばコード進行は
とシンプルなものになります。
そのうえで、詳しい解説は省略しますが、ここでの「D7」は「G7」によって導かれたコードであるため、これを
として解釈ができ、さらには「Dm」は「F」からの発展であるため、つまるところ
というコード進行がそのもとになっている、という解釈が成立します。
理論的な知識を使ってコード進行を分析するというのはこのような観点を持つことを意味しており、それによってここで取り上げている
がそこまで難しいものではないと感じられるようになるのです。
これはすなわち、こういったコード進行を自分でも組み立てられるようになることにつながります。
上記で「理論」と「実例」を掛け合わせて分析するのが大切だと述べたのは、このような理由からです。
「コード進行を作れるようになるための勉強方法」を考える時、ここまで突き詰めてコードを考え、それを実用的な知識としてきちんと自分の中に蓄積することが最も重要です。
まとめ
コード進行を作れるようになるための勉強方法についてここまで解説してきましたが、そのまとめとして、つまるところ勉強方法は以下の二点に集約されます。
- 音楽理論を学ぶ
- 学んだ音楽理論をもとに既存のコード進行を分析する
こういった取り組みを通して、かつそこから必ず「自分でも実際に作ってみる」ということを繰り返しているうちに、自然と魅力的なコード進行をすらすらと作っていける能力が身に付きます。
理論やコード進行の例を単なる情報と捉えず、それを自分なりに解釈することがポイントとなりますので、是非好奇心を持ってそれに取り組んでみて下さい。
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