コード(和音)の種類|コードネームの表記とそれぞれから受ける印象等の解説

作曲や演奏などで沢山のコードを扱っていると、「コードってどれだけあるんだろう?」と素朴な疑問を抱えてしまう人も多いはずです。

というわけで、こちらのページではコードの種類を代表的なものから順に整理しつつ解説していきます。

種類の一覧として、または純粋にコードへの興味として参考にしていただけるとありがたいです。

コードの種類を整理するための前提

ルート音について

そもそもコードには「ルート音」という概念があり、それは

どんな音を基準(=最低音)とするか
を意味します。

コード表記上、大文字のアルファベットがその音を意味しており、例えば「Am」であれば「A=ラ」の音がルート音にあたります。

そのうえで、例えば「Am」と「Bm」は基準とする音が違うだけで同じ構造を持っているため、コードの種類は同じものに属します。

この点を踏まえ、こちらではルート音を「C=ド」と定め、それを前提としてコードの種類を整理していくこととします。

整理の区分について

コードの種類は、わかりやすくするために「重要レベル」という基準で分けています。

この「重要レベル」の星が多いほどそのコードをよくいろいろな曲で見かけ、作曲や演奏にも活用しやすく、反面で星が少ないほど目にする機会があまりなく、作曲や演奏にも活用しづらい、ということを意味しています。

とはいえ、コードとしての価値はすべて同じであるため、この辺りの感覚は人それぞれだとご理解ください。

「度数」について

コードの構成音を把握するにあたり、「度」という表現を使用します。

度数表記の概念について、詳しくは以下のページにて解説しています。
音楽における「度数(ディグリー)」の詳細について(音程や「何番目か」を表す「度」という概念)

コードの種類:重要レベル☆☆☆

メジャー「C」

構成音
  • 完全1度
  • 長3度
  • 完全5度
まず最も基本的で、有名なコードがこちらの「メジャーコード」です。

三つの構成音による、明るく安定した響きを持っています。

これ以降のさまざまなコードは、メジャーコードを基準として「そこから構成音がどう変化するか」という観点で把握すると、より理解を深めやすいはずです。

マイナー「Cm」

構成音
  • 完全1度
  • 短3度
  • 完全5度
メジャーコードとの二巨頭のような存在となっているのがこの「マイナーコード」です。

マイナーコードはメジャーコードにおける3度の音が半音下がり、「短3度」の音になっているところがポイントです。

よく知られているように、メジャーコードに比べて暗い響きを持っています。

セブンス「C7」

構成音
  • 完全1度
  • 長3度
  • 完全5度
  • 短7度
こちらの「セブンスコード」も、前述した二つのコードとあわせて代表的なコードとして知られています。

メジャーコードに短7度が付加されており、明るい響きの中に少し怪しさが加わっているような雰囲気を持っているところが特徴です。

こちらは「ドミナントセブンスコード」とも呼ばれ、その不安定な響きを解消するためメジャーコードやマイナーコードに結びつく性質も持っています。

※関連ページ
ドミナントセブンスとドミナントモーションについて|コード進行を操る重要な働き

マイナーセブンス「Cm7」

構成音
  • 完全1度
  • 短3度
  • 完全5度
  • 短7度
マイナーコードに短7度を付加することで、「マイナーセブンスコード」とすることができます。

マイナーコードが三和音によるシンプルな響きを持っていたのに対し、こちらは7度の音によって「暗さの中に都会的なオシャレさがある」ような響きを持っています。

完全5度音程を二つ重ね合わせたような構成音の配置となっているところもポイントです。

※関連ページ
セブンスコード(四和音コード)の成り立ちや意味などについて

メジャーセブンス「CM7」

構成音
  • 完全1度
  • 長3度
  • 完全5度
  • 長7度
メジャーコードに長7度を付加した「メジャーセブンスコード」も、前述のマイナーセブンスコードと同じく頻繁に活用されます。

7度の音によって都会的な雰囲気が高まるのはマイナーセブンスコードと同じで、こちらはそれによって、土台となっているメジャーコードの明るさが少し弱まっているように感じられます。

こちらも完全5度音程を二つ重ね合わせた構成音の配置となっており、響きは安定しています。

分数コード(オンコード・スラッシュコード)「ConE」「ConD」等


やや番外編的なコードとして、「分数コード」もいろいろな曲のコード譜によく登場します。

通常のコードのルート音のみを別の音に差し替えることで分数コード特有の響きが生まれ、その例として上記図はコード「C」の本来のルート「ド」を「ミ=E」に変えた「ConE」の構成音を示したものです。

元コードの構成音を活用する「転回形」と、それ以外の音をあえて活用するもの、という大きく二つの種類に分けることができます。

※関連ページ
分数コード(オンコード、スラッシュコード)の使い方や成り立ちなどについて

コードの種類:重要レベル☆☆

マイナーセブンフラットファイブ「Cm7-5」

構成音
  • 完全1度
  • 短3度
  • 減5度
  • 短7度
前述した「マイナーセブンス」のコードのうち、完全5度を半音下げ「減5度」としたのがこちらの「マイナーセブンフラットファイブ」のコードです。

後述するディミニッシュコードにも近い響きを持っていることから、「ハーフディミニッシュ」などとも呼ばれます。

構成音同士が不安定な音程を持っているコードでありながら、全体としては思いのほかすっきりと響いているところも特徴です。

※関連ページ
フラットファイブコードとは? 概要と表記・使い方(ハーフディミニッシュ)などについて

ディミニッシュ「Cdim」

構成音
  • 完全1度
  • 短3度
  • 減5度
  • 減7度(長6度)
ルートから二音ずつ飛ばして音を配置することで、等間隔の構成音を持つ「ディミニッシュコード」を作ることが出来ます。

「減5度(増4度)」の音程が二つ重ねられた状態となっており、それがこのコード特有の怪しげな響きにつながっています。

三和音と四和音を区別する意味で、これを「dim7」と表記することもあります。

※関連ページ
ディミニッシュコード(1)概要と使い方などの解説 – パッシングディミニッシュ・セブンス置換

サスフォー「Csus4」

構成音
  • 完全1度
  • 完全4度
  • 完全5度
特殊な構成音を持ちながらも比較的活用しやすいのがこちらの「サスフォー」のコードです。

3度の音を持たないため「メジャー・マイナー」が曖昧になっており、数あるコードの中でもどっちつかずな響きを持ったものに分類されます。

メジャーコードとつなげることで、展開を延長させるような働きをさせることもできます。

セブンサスフォー「C7sus4」

構成音
  • 完全1度
  • 完全4度
  • 完全5度
  • 短7度
前述のサスフォーコードに短7度を加えて「セブンサスフォー」のコードを形作ることができます。

捉え方を変えれば、セブンスコードの長3度を半音上げ、完全4度にしたコードともいえます。

セブンスコードの不安定な響きにサスフォーの「どっちつかず」な感じが加えられて、それが大人びたサウンドを生み出しています。

オーギュメント「Caug」

構成音
  • 完全1度
  • 長3度
  • 増5度
メジャーコードの完全5度を半音上げ、「増5度」としたのがこちらの「オーギュメントコード」です。

構成音の性質上メジャーコードの発展形として活用されることが多く、若干イレギュラーな響きを持っています。

「増5度」の音はテンションの「♭13」と同じ音であるため混同されることも多いですが、そもそもの成り立ちが全く違うため、使用には注意が必要です。

※関連ページ
オーギュメント(オーグメント、aug)コード|構成音の概要や使い方などについて

マイナーシックス「Cm6」

構成音
  • 完全1度
  • 短3度
  • 完全5度
  • 長6度
前述したマイナーセブンスコードのアレンジ型として、短7度を長6度とする「マイナーシックス」のコードも活用されることがあります。

長6度がわずかな落ち着きにつながっており、マイナーセブンスコードに比べてより都会的、かつ静かなサウンドだという印象を受けます。

これら二つのコードを連続して演奏することで、短7度から長6度への音の変化を聴かせることもできます。

テンションコード「C7(9)」「Cm7(9)」「C7(13)」等

構成音
  • 完全1度
  • 長3度
  • 完全5度
  • 短7度
  • 9度
テンションコードはセブンスコードの先にある概念で、五つ目の音として四和音にオクターブ上の音を重ね、それを「9」「11」「13」という数字で表現します。

上記は「2度」をオクターブ上の「9度」と捉えて付加した「C7(9)」の構成音の例です。

これ以外にも「♭9」や「#9」「♭13」などを付加するオルタードテンションのコードも存在しています。

※関連ページ
テンションコード|概要とコード表記、コード進行例などの解説

アドナインス「Cadd9」

構成音
  • 完全1度
  • 長3度
  • 完全5度
  • 9度
テンションコードがセブンスコードの発展形だったのに対し、三和音のメジャーコードにそのままナインスの音を付加するのがこちらの「add9」のコードです。

「add」とは英語で「加える」というような意味を持つ単語で、上記例では文字通り「C」というメジャーコードに直接9度の音が加えられています。

この場合の9度は装飾音として機能することが多く、通常のメジャーコードに比べて少しファンタジックな響きが生まれます。

コードの種類:重要レベル☆

シックス「C6」

構成音
  • 完全1度
  • 長3度
  • 完全5度
  • 長6度
メジャーコードに長6度を付加する「シックス」のコードも、曲調によっては活用することが出来ます。

同じような成り立ちの「セブンスコード」が不安定な響きを持っていたのに対し、こちらはメジャーコードの延長上にあるような存在として扱われます。

通常のポップス・ロックではあまり見かけられませんが、それゆえに上手く取り入れることで特徴的なサウンドを生み出してくれます。

マイナーメジャーセブンス「CmM7」

構成音
  • 完全1度
  • 短3度
  • 完全5度
  • 長7度
マイナーに長7度を付加した「マイナーメジャーセブンス」のコードは、マイナースケールの都合上生み出されるコードとしてジャズなどで比較的頻繁に活用されます。

「マイナーメジャー」という矛盾したような名称を持っていますが、これは「マイナー」という三和音に「メジャーセブンス=長7度」が付加されている、ということを意味しています。

マイナー系のクリシェにおいて、ルート音を半音ずつ下げていくことで生まれるコードとしても知られています。

※関連ページ
クリシェ(1)概要・特徴的なコード進行を作るための典型的な使用例

セブンフラットファイブ「C7-5」

構成音
  • 完全1度
  • 長3度
  • 減5度
  • 短7度
「フラットファイブ」といえばマイナーセブンスに付加されるものがよく知られていますが、単なるセブンスコードにて「セブンフラットファイブ」としてそれを実施することもできます。

こちらも前述したディミニッシュコード同様、二つの「減5度(増4度)」音程を含み、かつ構成音の配置によってかなり不協和音的な響きを持つため、ポップス・ロックではあまり使用されません。

ボサノバなど、コード進行に特徴のある音楽におけるスパイス的な存在として登場することが多いです。

まとめ

ここまでコードの種類について解説してきました。

こうして整理してみると、改めていろいろなコードが存在していることがわかります。

もちろんコードはここにあるものがすべてというわけではなく、特にテンション系のコードや、構成音を自由にアレンジしたものを加えるとまだ他にもさまざまなコードを作ることができます。

また、響きを理解するうえで構成音の関係を把握することは大きな意味を持つため、上記の図を元に、是非それぞれのコードを弾き比べてみて下さい。

個人的に好きなのは、メジャーセブンスコードのサウンドです。