自分の作る曲やメロディなどを「ダサい…」と感じてしまうときの改善策

作曲初心者の人にとって、

「自分が作る曲ってなんだかダサい…」

という悩みは定番ともいえるものです。

こちらではその「ダサい」をどう改善させたり、そんな悩みをどう乗り越えていけばいいか、という点について考えてみます。

自分の作る曲が「ダサい」の正体と基本的な考え方

「ダサい」の中身

まず、こちらで取り上げている「ダサい」という表現の意味するところは人それぞれかと思いますが、より具体的にいえば曲が

  • シンプルで幼稚
  • どこかで聴いたような感じ
  • 面白みが感じられない

などの状態にあることを指すはずです。

総じてそこから、

  • 聴きごたえがない=聴いていてつまらない
  • 何度も聴きたいと思えない=曲に愛着が持てない
  • 誰にでも作れそう

という悲しい評価につながってしまうのですが、せっかく作った曲がこのようなものだと感じられてしまうのはやはり切ないです。

「普通」をアレンジして個性を盛り込む

そもそも音には「ド、ド#、レ…」というように12種類しかありません。

また、リズムの表現にもある程度限りがあるため、何も考えずただ音をつなげるように作曲すると、曲はどうしてもありきたりで聴きごたえの無いものになってしまいます

例えば

「ドーレーミー」

というようなメロディをただ作っても、そこからはやはり面白みがあるとは感じられないはずです。

それを踏まえ、「ダサい=聴きごたえがない」を改善するためには

「ありきたり=普通」のメロディやコードの流れ・構成を、独自にアレンジすること

がひとつの目安となります。

「ダサい」を改善するためにまず「普通」を知る

「普通」をアレンジするためには、当然のことながら「普通」を知る必要があります

以下は、その簡単なまとめです。

音使い(メロディの音階・コード)についてのおさらい

上記でも述べていますが、ピアノの鍵盤を見るとわかるように、音には「白鍵=7個」「黒鍵=5個」の計12個が存在しています

そして、通常の曲では「メジャースケール」「マイナースケール」と呼ばれる法則に沿って、その12音からまとまりの感じられる7音を主に活用します。

またコードも同様にスケールを土台とした「ダイアトニックコード」を使い、コード進行はそれに沿って組み立てられます。

※関連ページ
メジャースケールの内容とその覚え方、割り出し方、なぜ必要なのか?について マイナースケールの解説(ハーモニックマイナー・メロディックマイナーを含む三種について) ダイアトニックコードとスリーコード(成り立ちとコードの役割などについて)

そのうえで、曲には「キー」という概念があり、それは「どんな音を中心音としたメジャースケール=7音を活用するか」を定義します。

それぞれの詳しい解説は上記ページに譲りますが、「キー=Cメジャー」「キー=Eメジャー」を例にすると、

Cメジャースケール
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ

Eメジャースケール
ミ・ファ#・ソ#・ラ・シ・ド#・レ#

という7音から

「キー=Cメジャー」の音楽
「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の7音を主に活用する音楽

「キー=Eメジャー」の音楽
「ミ・ファ#・ソ#・ラ・シ・ド#・レ#」の7音を主に活用する音楽

というような定義が成立します。

さらには、コードにはこれらの音をそのままコードに置き換えた以下のダイアトニックコードが活用されます。

「Cメジャーダイアトニックコード」
「C・Dm・Em・F・G・Am・Bm-5」

「Eメジャーダイアトニックコード」
「E・F#m・G#m・A・B・C#m・D#m-5」

※関連ページ
「キー(音楽)」についての解説|キー=「中心音」と「まとまりのある音のグループ」から成り立つ言葉

残りの5音も活用できる

もちろん音の種類は全部で12音であるため、残りの5音も曲の中で活用していくことができます

ただそれらはあくまでも「キー」以外の音であり、「曲のまとまり」を考えるとスケール内の7音を使うことが主流となります。

ここまでに述べた内容が、いわゆる「メロディ(スケール=音階)」と「コード」における「普通」を表現するための知識だといえるでしょう。

リズムについてのおさらい

曲に扱われているリズムには大きく「二拍子」「三拍子」「四拍子」などがあり、中でもポップス・ロックの作曲を考えるうえで四拍子のリズムはその基本となるものです。

さらには、扱われる音符によって拍子をどう表現するかが変わり、具体的には

  • 全音符
  • 2分音符
  • 4分音符
  • 8分音符
  • 16分音符

などによって、音のアクセントを引き延ばしたり、細かくしたりすることができます。

それらによって

  • ターアーターアー…
  • タンタンタンタン…
  • タタタタ…
  • タカタカ…

というようなリズムを持ったフレーズが生み出され、それらを伴奏やメロディに導入することで場面転換や曲の持つスピード感(テンポ)・「ノリ」などを生みだすことができます。

※関連ページ
作曲に活用できるリズムの種類(曲作りの幅を広げる)

組み合わされる音符、休符など

基本的に、ポップス・ロックにおける「拍子」は曲の中で統一されますが、音符の種類はさまざまに組み合わされます

上記で述べたのはあくまでも基本となる一例ですが、これ以外にも「休符」という概念があり、作曲をするうえでは「メロディの無い部分(空白)」をいかに盛り込むかという点も考慮すべきです。

このあたりが、リズムに関する「普通」を表現するのにつながる知識です。

「ダサい」を改善するアイディア

上記で簡単に解説した「『メロディ』『コード』『リズム』の普通」をもとに、そこからはみ出し、曲を個性的なもの=ダサいと感じないものにしていくためのアイディアを考えてみます。

1. メロディ:スケール外の音を使う

まず、既に述べた通り曲は「キー」という概念のもと、そのキーにおける「スケール」に含まれる7音を主に活用していきます。

上記で例として挙げた通り、「キー=C」というとき、そこでは「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」という7音が活用されます。

この場合、ページの冒頭でも例にした

「ドーレーミー」

というメロディは、単にスケールの中の音を、中心音「ド」から順番に「ド→レ→ミ」となぞっているだけであるため、そこからは「個性的だ」という雰囲気が感じられません。

ここでアイディアのひとつとなるのが「スケール外の音を使う」というやり方で、それは具体的には「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」に含まれない「ド#」「レ#」などをメロディに盛り込むことを意味します。

例えば上記の例を

「ドード#ーレー」

とアレンジするだけでも、そこからは少し異質な雰囲気が生まれ、それが個性になるはずです。

もちろんキーを成立させるのがスケール内の音であり、あまりにそこから外れた音を使い過ぎるとそもそもキー自体があやふやなものになってしまいます。

また、スケール外の音をすんなりと聴けるようにするためにはコード進行の作り込みが必要になることも多いです。

そのように、使う頻度や使い方には気遣いが必要ですが、それでもこの「スケール外の音」が「ダサいメロディ」を回避するひとつのヒントとなるはずです。

2. メロディ:スケール内の音を跳躍させる

上記の例にあるように、スケール内の音を順番に上下させる音の運び方を「順次進行」と呼びます。

この順次進行はスムーズな音の変化を感じさせる一方、「ありきたりだ」という印象にもつながりやすいものとされています。

その回避策として考えられるのが「跳躍進行」で、これは文字通り音を跳躍させるように、スケール内の離れた場所に音を進ませるようなやり方のことを指すものです。

例えば、前述したメロディの例を

「ドーファーシー」

とアレンジするだけでも、「ド」から「ファ」、「ファ」から「シ」に向けて大きな音の跳躍が生まれ、ありきたりだという雰囲気は薄れます。

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また、単に跳躍進行を盛り込めばいいというわけではなく、ある程度の親しみやすさにも配慮する必要があるため、適度な順次進行に跳躍進行を混ぜるのが最も理想的な形です。

個性的なメロディを考えるうえでは、このように「音の進め方」にも配慮することができます

3. メロディ:スケールの中心音を避ける

スケールの中で最も重要だとされるのは「中心音」で、それは例えば「Cメジャースケール」にある「ド」の音のことを指します。

中心音はそのキーにおける音使いのスタートでありゴールでもあるため、そこからメロディを始めたり、その音でメロディを終わらせたりすることで音の流れに安定感を持たせることができます

例えば、前述した

「ドーレーミー」

などはその好例で、リスナーはこのようなメロディを聴くと「中心音『ド』から始まる落ち着いたメロディ」という印象を持ちます。

そのうえで、メロディに個性を出すためにこれを逆手に取り、あえて中心音を避けるように音を組み立てることが検討できます

例えば、前述の例を

「ミーファーソー」

とするだけでも、単に「ド」から音をつなげた状態に比べて少しアレンジが加わったように感じられます。

上記は短いフレーズの例ですが、曲全体に広がるメロディの中で中心音の数をあえて減らし、音を落ち着かせないような状態に作り込むことが特徴的なメロディを作るためのアイディアとなるはずです。

4. メロディ:「スケール外の音」「跳躍進行」「中心音を避ける」の複合

上記で述べた点を複合させると、メロディはより個性のあるものになっていきます。

例えば、ここまでに例として挙げている「キー=C」の曲において、「中心音から始めない」「スケール外の音「離れた場所にある音への跳躍」を複合させてメロディに取り入れると、

「ミーソ#ーラー」

のようなメロディが考えられます。

これも短い例でありながら、前述した「ドーレーミー」というメロディに比べて、ここでテーマとしている「ダサい」が緩和されたメロディだと感じるはずです。

5. コード:ダイアトニックコード以外の活用

前述した「スケール外の音を活用する」というアイディアをそのままコードに流用すると、それは「ダイアトニックコード以外のコード(ノンダイアトニックコード)を活用する」というアイディアにつながります。

例えば、「キー=C」の曲においてダイアトニックコードのみを使って

「C→F」

のようにコードをつなげるよりも、そこに「Caug」などのノンダイアトニックコードを挟み

「C→Caug→F」

とする方が、コードの響きには個性が生まれます。

このようなちょっとしたコードのアレンジが曲全体から感じられるサウンドの個性になり、それがいわゆる「ダサい」という印象をやわらげてくれます

音楽理論を学習してコードアレンジの幅を広げる

これを実施するためには、そもそも「どのようなノンダイアトニックコードが活用できるか」を把握しておく必要があり、それに欠かせないのが「音楽理論」の学習です。

「音楽理論」と聞くとものすごく難しい内容が想像できて、敬遠してしまう人も多いはずです。

しかし、理論を知るほどに活用できるノンダイアトニックコードの幅が広がって行くため、「ダサさ」を回避するためにもこういった「作曲の勉強」には積極的に取り組んでいくべきだといえるでしょう。

※関連ページ
「ノンダイアトニックコード」の意味とその種類の解説(活用のルールやコード進行例等) 音楽理論を知りたい人のための「学習の見取り図」※独学に活用できる「音楽理論の何をどの順番で学べばいいか」のまとめ

6. コード:四和音コードやテンションコードを活用する

既にご紹介した「ダイアトニックコード」には、三つの構成音から成り立つ「C」や「Am」等の「三和音」の状態以外にも、音をそこからさらに増やした「四和音」の発展型が存在します。

※関連ページ
セブンスコード(四和音コード)の成り立ちや意味などについて

コードの構成音が増えることでそこから感じられるサウンドは多彩になり、華やかさや大人っぽいムードがより強調されるため「ダサい」を回避する意味でこれらを活用することも検討できます。

また、そこからさらに音を増やした「テンションコード」の概念を取り入れることで、コード進行から生み出される雰囲気はジャズやR&Bに代表される都会的なものに近づいていきます。

あわせてそれらも、個性的なサウンドを作るために一役買ってれるはずです。

※関連ページ
テンションコード|概要とコード表記、コード進行例などの解説

7. リズム:単調なリズムを避ける

上記で例としてあげた

「ドーレーミー」

というメロディは、「ターターター」という単調なリズムを持っていますが、これをリズム的な観点から個性的なものにするためにはそこに複数の音符を複合させたり、休符を混ぜたりすることが検討できます。

以下はその例となる、「ソソソ…」という8分音符のみの単調なリズムを持ったメロディの例です。

 

上記を実際に音として聴くと、これだけではやはり面白みのないメロディだという印象を持ってしまうはずです。

そのうえで、ここに「音符の複合」「休符」を加えてアレンジすると、以下のようになります。

 

ここではメロディ冒頭に8分休符を入れ、ところどころで4分音符と8分音符を混ぜたり、つなげたりしています。

アレンジ前のメロディとこちらを聴き比べることで、リズムを少し調節しただけでもそこから感じられる雰囲気に違いが生まれることがわかるはずです

上記もシンプルな例ですが、このように音符の種類や休符の数に配慮したり、躍動感のあるリズムを生み出すようなアレンジができるとメロディはより聴き応えのあるものになっていきます。

※関連ページ
メロディのパターン・種類を考える|音階やリズムによる17のアイディア

曲分析を通して「ダサくない」の基準を持つ

ここまでにご紹介したいくつかの手法はあくまでも例であり、「ダサい」の基準が人それぞれであるようにその理由もそれぞれに違い、「こうすれば『ダサい』が改善される」という明確な答えは出しづらいものです。

結局のところそれを改善できるのは作った本人だけで、それには直接的な手法を覚えるよりも「曲作りの基準」を持ち、作曲の際の「判断力」を強化させることが大切です。

基準がないからダサくなる

作った曲を「ダサい曲(メロディ)だなあ」と感じるということは、少なからず自分の中に「ダサい・ダサくない」という基準を持てているということです。

そのうえで、では「その『ダサくない曲』とは具体的にどのようなものなのか?」と問われたら、多くの人はそれをぼんやりとしかイメージできないはずです。

すなわち、「ダサくない曲の定義」をきちんと把握できていないからそれを作れないのであって、裏を返すとそれをしっかりと認識していれば、必然的にその「ダサくない曲」が作れるようになります

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つまり「作る曲がダサくなる」という症状は、「ダサくない」の明確な判断基準を持たないまま作曲をしている、ということを意味します。

こちらのページでテーマとしている「ダサい」を乗り越えるためには、その「ダサくない曲」をきちんと定義として明らかにする必要があるのです。

「ダサい」を乗り越えるための「曲分析」の効能

これに最も効果があるのは「曲を作曲的な視点から分析すること」です。

自分が思う「良い曲」に作曲者の立場から向き合い、上記で述べたような「メロディ」「コード」「リズム」などの側面から曲がどのように構成されているかを紐解きます

それを何曲も繰り返していくことで必然的にやるべきことが見えてきて、「ダサい」は改善されていきます。

以下のページでは、私が推奨する曲分析の方法をマニュアル化した「曲分析マニュアル」についてもご紹介していますので、是非参考にしてみて下さい。

曲分析マニュアルのご紹介

まとめ

作った曲を「ダサい」と感じてしまう状況を改善させるためのアイディアについてここまで考えてきましたが、詰まるところその「ダサい」を乗り越えるために必要なのは「創作」と「振り返り」、そして曲分析を含む「作曲の勉強」です

つまりそれは、

  1. 作曲をする
  2. その都度しっかりと一曲を作りきって、何ができて何ができなかったかを振り返る
  3. 音楽理論や方法論の学習、曲分析の実施を通して「曲」に対する理解を深める
  4. また改めて作曲をする

という行動を循環させ、作曲のレベルを根本的に上げていくことを指します。

それによって必然的に「ダサい」と感じることは減り、徐々に自分の曲を認められるようになっていきます

是非長い目で曲と向き合い、好奇心を持って楽しみながらそれを乗り越えていってください。

「ダサい」を改善させる特効薬を探すより、創作や曲分析などを通して根本的に作曲レベルを上げていくのが理想的です。