私が作曲を始めたは高校一年生の頃ですが、その経験から高校生でも作曲を始めるのは十分に可能だといえます。
むしろ、新鮮な感覚を持っている高校生ぐらいの年代こそ作曲を始めるのに最適だと個人的には考えています。
こちらではそんな高校生の作曲について、その方法や用意すべきもの、注意点などを詳しく考えていきます。
目次
現在考えられる作曲の方法二つ
作曲をやろうと考える時、現在では大きく以下二つの方法が考えられるはずです。
- 楽器を使ってやる作曲
- パソコン(PC)を使ってやる作曲
この点について、概要は以下のページでも解説しています。
作曲の始め方 作曲したい!と思った時に何から手をつけるべきか
そのうえで、「高校生がやる作曲」ということを念頭に置き、改めてそれぞれの特徴をまとめると以下のようになります。
- ボーカル曲を作るのに適している
- 楽器(ギターまたはピアノ)の用意が必要
- 楽器が弾けることが前提となる
- ライブで演奏して曲を披露できる
- ボーカル曲・ボーカルの無い曲、どちらも作れる
- パソコン等の周辺機材の用意が必要
- パソコンやソフトの操作に慣れる必要がある
- 音源をインターネット上にアップすることができる
それぞれの方法に適した人のまとめ
上記の「楽器を使ってやる作曲」「パソコンを使ってやる作曲」双方にメリット・デメリットがあり、どちらが良いとは一概に言い切れないところがあります。
それを踏まえ、それぞれに向いている人や「こういう人はこちらの方法で作曲を始めるべき」という点をまとめると以下のようになります。
- 今すぐに作曲したい人
- 歌を作りたい人
- 学園祭等みんなの前で披露したい人
- ギターやピアノ等が既に弾ける人
- パソコンなど機材の操作が苦手な人
- 歌の無い音楽を作りたい人
- パソコンなど機材の操作が得意な人
- 音源をインターネット(SNS等)にアップして公開したい人
- ゆくゆくは音楽制作の仕事に就きたいと考えている人
これらをまとめると、大きく分けて、
- 手軽に今すぐ曲を作りたい人⇒楽器
- 機材の設定や操作が得意な人⇒パソコン
という観点から、作曲する方法を選択できそうです。
1. 楽器を使う作曲
高校生の行う作曲として私が最もお勧めしたいのが「楽器を使う作曲」です。
ここでの「楽器」とはギターまたはピアノ(鍵盤楽器)のことを指しますが、かくいう私も高校一年の頃にギターを弾きながら作曲を始めました。
楽器を使う作曲では、主にコードを弾きながら歌ってメロディを考え、それらを発展させながら曲を組み立てていきます。
「楽器を使う作曲」のために用意するもの
楽器を使って作曲をするために用意するものは、文字通り「楽器=ギターまたはピアノ」だけです。
それぞれの費用目安は、安価なものなら1万円以下、一般的には3~5万円程度です。
中でも、ギターを使う場合にはある程度の品質が無いと弾きづらくて苦労するため、長い目で見て3万円程度は出費した方が良いといえるでしょう。
ギターおすすめ
上記はアコースティックギターですが、もちろんエレキギターを作曲に活用することもできます。
また、ピアノについては費用や利便性などから電子ピアノ(キーボード)をお勧めします。
こちらも品質にはある程度こだわりたいですが、ギターに比べて価格による弾きづらさの差がそこまでないともいえます。
ピアノおすすめ
ここに挙げたものに限らずギターやピアノはいたるところで手軽に入手できるため、例えば中古楽器を探したり、身内に譲ってもらったりするなどして、なるべく費用を掛けない方法を検討してみて下さい。
「楽器を使う作曲」の進め方
ギターまたはピアノが用意できたらそこからすぐにでも作曲を始めることができます。
なかでも、楽器の経験が一切ない高校生にお勧めしたいのが「ピアノを使う作曲」です。
この点について、詳しくは以下のページで解説しています。
【ピアノで作曲!楽器が弾けなくても大丈夫】作曲初心者がピアノやキーボードで作曲する方法
ピアノは鍵盤を押せば音が鳴る
「ピアノの演奏」と聞くといかにも大変そうですが、上記ページでも述べている通り決してそんなことはありません。
そもそも、ピアノは鍵盤を押せば音が確実に鳴るためその点のストレスが無く、かつ押さえる鍵盤のパターンも当面は以下の六つだけです。
コードを演奏しながらメロディを歌い、実際に曲を組み立てていくのですが、詳しいやり方やそのコツなどは以下のページを参考にしてみて下さい。
作曲初心者向け 作曲超入門 具体的な作曲方法とやり方のコツ
コード(コード進行)からメロディを作る|コードの伴奏の上で自由にメロディを歌うことの概要とそのコツについて
ギターを使う場合もやることは基本的に同じ
ギターを使う場合の作曲も、基本的にピアノと同じ手順で進めていくことができます。
こちらも「演奏」という側面がありますが、ピアノほど簡単ではないものの覚えるべきコードは六つのみであるため、少し練習すればすぐに弾けるようになるはずです。
ギターを使った作曲については、以下のページで解説しています。
音楽理論や作曲法が備わっていると作業が進めやすい
作曲を円滑に進めて、曲をより良いものにしていくためには、音楽理論や曲を良くするためのコツなどを身につけておく必要があります。
特に、初級部分に相当する音楽理論を身につけておくだけでも作曲はかなりやりやすくなるため、以下のページなどを参考に、概要だけでも目を通しておくことをお勧めします。
音楽理論を知りたい人のための「学習の見取り図」※独学に活用できる「音楽理論の何をどの順番で学べばいいか」のまとめ
2. パソコン(PC)を使う作曲
高校生にとっての「作曲」というと、こちらの「パソコンを使うやり方」をイメージする人も多いはずです。
SNSなどに「オリジナル曲を作りました!」と音源をアップしている友達などを見かけて、「自分もやってみたいなあ」と考える人も多いでしょう。
「パソコンを使う作曲」のために用意するもの
作曲にパソコンを使うにあたり、一番初めに用意すべきものはもちろん「パソコン」ですが、それ以外にも例として以下のようなものが必要となります。
- ソフト(DAWソフト)
- ヘッドフォン・イヤホン
- スピーカー
- オーディオインターフェース
- MIDIキーボード
- プラグインソフト音源
- ミキシング・マスタリングプラグイン
作曲に必要なものについて、詳しくは以下のページを参考にしてみて下さい。
作曲に必要なものとは?PCを使った作曲・音楽制作に必要なもの(機材)と費用の目安を詳しく解説します。
これらをすべてまともに揃えようとすると10万円以上の費用が必要となってしまい、あまり現実的とはいえません。
そのため、まずは以下のような構成によって始めてみることをお勧めします。
- パソコン⇒自宅にあるもの、または中古パソコン
- ソフト⇒無料ソフト
- ヘッドフォン・イヤホン⇒手持ち、または数千円のイヤホン
- スピーカー⇒パソコン内蔵のスピーカー
- オーディオインターフェース⇒不要(オーディオ録音をしない)、または最安値のものを使用(五千円程度)
- マイク⇒不要(ボーカルを録音しない)、または最安値のもの(数千円)
- MIDIキーボード⇒不要(パソコンのマウスを使用)
- プラグインソフト音源⇒不要(DAWソフト内蔵のものを使用)
- ミキシング・マスタリングプラグイン⇒不要(DAWソフト内蔵のものを使用)
この構成であれば一切お金を掛けず、または最安値でも五千円程度の出費で環境を整えることができるはずです。
オーディオインターフェースは音声を録音するための機材で、特にボーカルを録音しようと考える場合には必ず必要となります。反面で、ボーカルの無い曲を作る際にはオーディオインターフェースが不要となり、費用をより安価に抑えることができます。
「パソコンを使う作曲」の進め方
ここで、上記で挙げた「ボーカルの無い曲」を前提としてその作り方をご紹介したいところなのですが、詰まるところパソコンを使ってやる作曲は「データの入力」です。
つまり、作曲の作業は「画面を開いてデータを打ち込むこと」がその中心となります。
そのうえで、
- データをどう打ち込むか
- どのような操作によって曲を仕上げていくべきか
などはソフトや操作の環境によっても異なるため、ここでは詳細の解説を控えます。
具体的には、前述したページを参考にソフトを決め、環境をある程度整えた後に、そのソフトに特化した内容を参考としつつやり方を学んでいくことをお勧めします。
※以下のページでは、一般的な打ち込み作曲(PCを使った作曲)について解説しています。
打ち込み(パソコン・DAW)による作曲手順の解説|曲作りの概要や方法をご紹介します
パソコンを使う作曲は行き詰まりやすい
もちろん、この「パソコンを使う作曲」も作曲であることに変わりはないため、そこではメロディやコードを組み立て、時として音楽理論を活用したりしながら曲を作り込んでいくことが求められます。
その上で、初心者の人によくありがちなのが「パソコン(DTM)でやる作曲がとても大変なものに感じられてしまう」という症状です。
※この点については以下のページでも解説しています。
【作曲】「自分には無理だ…」と感じてしまう原因と、無理なく作曲を続けるためのアイディア
上記ページでも述べている通り、その原因は
という点に尽きます。
高校生の作曲として「楽器が弾けなくても作曲が始められる」という理由からパソコンを使った作曲に取り組もうとすると、大半の人はこのような理由から作曲に行き詰まってしまいます。
楽器を経験すると作曲する感覚がつかめる
その打開策として、ここでもお勧めできるのが「楽器を弾くこと」です。
同じく上記ページで解説している「弾き語り」がそれに最も効果的で、コードを演奏してつなげ、そこでメロディを歌うことで、
- ハーモニー(=コードのつながり)とはどのようなものか
- ハーモニーの上で展開していくメロディとはどのようなものか
- 伴奏やメロディにどのようなリズムをつけるべきか
などが次第に理解できるようになります。
そのうえで、それらを踏まえたデータをパソコンに打ち込むことによって、画面上の中で一曲を作り上げることができるようになっていくはずです。
パソコンを活用した作曲については、以下のページでも詳しく考察していますので、そちらも是非参考にしてみて下さい。
作曲をするために楽器は必要?DTMを活用した作曲との違いとは
まとめ
ここまで高校生の作曲について考えてきました。
楽器を使う作曲、パソコンを使う作曲、それぞれに面白さや難しさがありますが、まずは自分の理想とするスタイルや曲調を元に、作曲がどんなものかを体験してみるつもりで始めてみて下さい。
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