以前に、X(旧Twitter)にて
- 「作曲はこんな心構えでやるといいですよ」
- 「作曲とはこういうものですよ」
ということを伝えるために「作曲の心得」と題して、12個の項目を数枚のスライド画像と主に投稿しました。(以下引用)
作曲の心得をまとめました。 pic.twitter.com/UedHz7E8BX
— 内山敦支|うちやま作曲教室 (@sakkyoku_info) February 19, 2021
こちらのページでは、ここで挙げている12個の内容をより深く掘り下げて解説してみようと思います。
これから作曲を始めようと考えていたり、これまで以上に作曲を頑張っていきたい人は是非参考にしてみて下さい。
目次
作曲の心得の整理
それぞれの解説に入る前に、まず私が投稿した「作曲の心得12選」をスライド画像と共に改めて整理します。
- 作曲に孤独は必要
- メロディはコードで化ける
- 難解より自然を選ぼう
- 楽器が弾けるとやっぱり強い
- 曲分析は超大事
- 音楽理論は便利
- 答えはないけど答えを探そう
- 誰かを想って作ろう
- 考えないと上手くならない
- センスと適当を混同しないで
- 曲を作りきることが大事
- 作曲できる自分を誇ろう
スライド内ではそれぞれの項目に簡単なコメントをつけていますが、それらも含めこれ以降でより詳しく解説していきます。
作曲の心得の詳細
1. 作曲に孤独は必要
まずひとつめに挙げたのが「孤独」に関するものです。
作曲を含む芸術活動は基本的にひとりでやるものが多く、言い方を変えればそれは「孤独な作業」とも解釈できます。
作曲に没頭することは必然的に孤独を選ぶことにつながるため、時にそんな孤独感に落ち込みそうになるものです。
孤独によって名曲が生まれる
上記のスライド画像にもコメントとして書いているように、歴史に残る多くの名曲はそんな「孤独」の中から生まれているはずです。
これはあくまで予想ですが、恐らくもともとは一人のアーティストが頭の中で考え、それを形にしたことによって生まれた曲がほとんどだと思います。
もちろん、中にはみんなでワイワイやりながら作ったような曲もあるはずです。
そう考えると、孤独になることはそんなに悪いことではないと思えてくるもので、「作曲に孤独は必要」と述べたのはそのような理由からです。
孤独になれる人が作曲を続けられる人
この「作曲に孤独は必要」は、裏を返せば、
作曲を続けられる人=孤独になれる(耐えられる)人
という解釈にもつながります。
つまり、
- 孤独を楽しめる
- ひとりきりの作業にむなしさを感じない
などの点が作曲を続けられるか否かに大きく関係する、ということです。
これはその他の「ものづくり系の活動」にも同じくいえることですが、このあたりが作曲に向いているかどうかを測るひとつの目安になりそうです。
2. メロディはコードで化ける
次に挙げたのがメロディとコードに関する心得です。
12個ある項目のうちこれだけやけに作曲に特化しているため、「よくわかりません」という声もいただきました。
メロディ単体よりも全体で評価すべき
この項目をより詳しく解説するために、私は以下のような回答をしました。
ハーモニーによってメロディの印象は大きく変わるので、メロディ単体はもちろんのこと、どんなハーモニーを背景としてそのメロディを聴かせるか、を考えることがメロディの質を高めるために大切、ということです
ここで述べている通り、メロディの印象は
どんなハーモニーをその伴奏とするか
によって大きく変わります。
より具体的には、あるひとつのメロディに対して想定できるハーモニーは無数にあり、それを考える行為そのものが作曲だといえる、ということです。
つまり、メロディを作るうえではそれ単体の質を評価するのではなく、コード進行(ハーモニー)を含めた全体を見る目が必要になるのです。
メロディが「化ける」
ここで、私が「化ける」という言い回しを使っているのは、コード進行のつけ方によって本当にメロディが化ける(見違えるほど良くなる)ようなことが起こるからです。
このあたりは、メロディに対してハーモニーを付け直す「リハーモナイズ」の概念にもつながります。 リハーモナイズの解説|概要と考え方、やり方や実例などを詳しく説明します
上記ページでも解説しているように、いまいちだと思っていたメロディでも、そこにつける伴奏(=コード進行)をきちんと考えることで生まれ変わることは多々あります。
そのような意味からも、「メロディはコードで化けるもの」という前提のもと、双方をきちんと検討して作り込むことが大切となります。 メロディとコードの関係を考える それぞれの音はどのような関係によって成り立っているのか?
3. 難解より自然を選ぼう
次に挙げたのは文字通り「心得=心構え」のような内容で、
作曲で思いついたアイディアは「より自然なもの」を優先して選択すべき
ということをここでは述べています。
ポピュラー音楽の作曲においては、特にこの点を重視する必要があると私は考えています。
難解=芸術っぽい、という勘違い
そもそも「作曲」=「音楽を作る行為」は芸術的な活動とも解釈できるため、
難解なものほど高尚(レベルが高い)
という間違った判断をされがちです。
これが「現代音楽」や「前衛音楽(アヴァンギャルド)」と呼ばれるジャンルの音楽を作るのであればあながち誤りではなくなるのですが、ポップス・ロックは違います。
ポピュラー音楽のリスナーは基本的に自然なものを好むため、まずこのような考えを改め直すべきです。
迷ったときほど難解に逃げがち
ここで挙げている「難解より自然を選ぼう」という言葉の裏には、
難解なものほど「ものは言いよう」ですぐに表現できてしまう
という実情があります。
つまり、一生懸命「みんなに『良い曲』だと感じてもらうには?」と考えるよりも、なんとなく適当に作ってできた曲を、
よくわからない曲→難解でレベルが高いことをやっている
と良いように解釈してしまえば、それっぽく聴かせることができてしまうのです。
結果としてそのような曲は誰にも評価されず、また自分も愛着が持てないことから曲を作る意味そのものも無くなってしまいます。
この項目のコメントとして「難解に逃げない」と付け加えているように、ポピュラー音楽の作曲では基本的に
- 自然
- 親しみやすい
というような特徴を前提として、しっかりとリスナーに理解してもらえるような作風を追求すべきだと私は考えています。
4. 楽器が弾けるとやっぱり強い
次は楽器に関する考察です。
最近ではPCやスマホ、デジタル機器を使った音楽制作も一般化してきていますが、ここで述べている通りやはり「楽器が弾ける」ということは作曲において優位に働きます。
「音を組み立てる行為」を助けてくれる
ここで挙げている「楽器」とは、基本的にはメロディとコードの双方を表現できる
- ピアノ(を含む鍵盤楽器全般)
- ギター
を想定していますが、楽器ができる利点はそれらを弾きながらメロディやコード、およびその組み合わせを柔軟にコントロールできるところにあります。
ピアノもギターも、楽器の上で鍵盤・フレットとして音が並んでおり視覚的に音の配置や関係性を確認できて、かつ瞬時に音を出せます。
作曲は、言い換えれば「音を組み立てる行為」でもあるため、上記画像でも述べているように
- 音同士の関係を確認できてすぐに音が出せる
- 音を柔軟にコントロールできる
という二つの特性を持つピアノやギターはやはり重宝します。
直感的にあれこれやれることが楽器の強み
作曲は「あれこれと検討を続ける作業」であるため、上記で挙げた内容は「検討をしやすくする」ということにもつながります。
もちろん、PCのソフトなどを使ってメロディやコード等を検討することもできますが、それらがその都度データを入力する必要があるのに比べ、楽器を使うやり方はより直感的です。
迷いの連続である作曲において、それを助けてくれる楽器の存在は大きいです。
5. 曲分析は超大事
次に挙げたのが「曲分析」についてで、これは私が最も強調したい項目でもあります。
作曲を進めていくうえで、既存の曲を分析する行為はとても重要な意味を持ちます。
曲を紐解き成り立ちを理解する
曲分析とは、具体的には
曲を作曲的な観点から聴き、曲の内容を詳細に紐解くこと
を指す行為です。
曲分析の重要性について(曲分析の概要や効果、曲分析を習慣にすると作曲が上達する理由について)
詳しくは上記のページでも解説していますが、分析を熱心にやることで「曲とは何か?」が理解できるようになります。
成り立ちがわかれば必然的にそれを作れるようになる=作曲の時にやるべきことが明確になります。
結果として作曲のレベルは向上していくのです。
判断力=分析力
また、「分析」というと多くの人は
作曲の手法(ネタ)を仕入れる行為
と考えてしまうものですが、(もちろんそれもありますが)実際のところは内容よりも分析行為そのものに意味があります。
つまり、曲を作曲的観点から紐解こうと思考を巡らせるだけで「曲を分析する力」が強化され、それを繰り返すことで以前よりも簡単に曲の構造を把握できるようになるのです。
その「分析力」が自分の作曲にも活かされ、曲を俯瞰で捉えて適切な判断をしていくことができようになる、ということです。
つまり、「分析できる力」は「適切な判断ができる力」につながる、ともいえます。
私がこれまでに見てきた中でも、曲分析を熱心にやる人ほど作曲の上達が早いため、特にその点を望む場合にはよりしっかりと「曲分析」に取り組むよう心掛けて下さい。
6. 音楽理論は便利
次に挙げたのは、音楽理論に関するものです。
理論の大切さを感じながら日々作曲をしている私としては、この点も言及しておきたいところです。
理論があると筋道を立てられる
ここでは「音楽理論は便利」と述べていますが、それがどう便利なのかといわれたら
筋道を立てて考えることができる
という点に答えがあると私は考えています。
音楽理論は音楽の状態や効果をまとめた取扱説明書のようなものであるため、それを一通り理解しておくと狙い通りの雰囲気をいつでも実現できるようになります。
上記の画像でコメントとして加えている
理論は、最小の労力で常に良い結果を出すための道具
とはそのようなことを意味するもので、自分の感覚や環境などのコンディションに左右されず常に水準以上の曲が作れるようになるという点は、作曲を続けていくうえでとても大切です。
スピードアップにもつながる
また、音楽理論はある種の「事例集」ともいえます。
「音楽理論」=過去の誰かが試行錯誤して組み立てた音や、それによって出来上がった音楽とその効果を体系的に整理したもの、として解釈できるということです。
そのため、それを理解することが無駄な遠回りを避けることにもつながり、結果として作曲のスピードは速まります。
よく、
「音楽理論を学ぶと感性が束縛されて良い曲が作れなくなる」
と言われたりしますが、上記を踏まえるとむしろその反対だということがわかります。
つまり、感性を十分に伸ばすために、「音楽理論」という便利な道具がものすごく効果を発揮してくれるのです。
音楽理論を知りたい人のための「学習の見取り図」※独学に活用できる「音楽理論の何をどの順番で学べばいいか」のまとめ
7. 答えはないけど答えを探そう
次の項目はどことなく哲学的ですが、こちらも個人的には大切な心構えだと思い、12の心得に加えています。
- 答えはない
- でも答えを精一杯探す必要がある
というこの二点は、芸術の本質ともいえるかもしれません。
きちんと考える、ということ
この「答えはないけど答えを探そう」という項目は、
適当に「なんとなくこんな感じかなあ」とやっているうちは誰にも評価されない
というようなことを言い表したものです。
作曲(を含む芸術全般)は「良い/良くない」というように感覚的な尺度によって評価されるもので、上記で述べているとおりそこに「答え=正解」はありません。
これは、ある人にとって「良いもの」がある人にとっては「そうでもないもの」になる、というような点からも理解できます。
それゆえに、「なんとなくこんな感じかなあ」というレベルの作業を良しとしてしまい、結果としてそれが散漫な印象を持つ曲につながってしまいます。
質の高い曲を作るうえではまずこの点を心に留めるべきで、正解がない中でも自分なりの答えを探す努力をすべきです。
その試行錯誤の跡がリスナーに伝わり、それが
「きちんと考えられている」=丁寧に作られた質の高い作品
という印象を生みます。
曲分析や理論の習得で尺度を持つ
実際のところ、この「答えを探す行為」はそれなりに難しいものです。
ポイントとなるのは「良し悪しを判断する尺度を持つ」という点で、それには既にご紹介した
- 曲分析の実施
- 音楽理論の習得
の二つが効果を発揮します。
これらを通して音楽の理解を深めていくにつれて、自然と自分なりの答えを見つけられるようになっていくものです。
8. 誰かを想って作ろう
次の項目は、作曲に向かう意識や姿勢を説いたものです。
ここで「誰か」としているように、自分以外の人を想定しながら作曲をすることは作曲を続けるための大きな動機になります。
「誰か」のイメージが行動力を生む
冒頭で述べた通り作曲は孤独な作業ですが、その目的までも孤独になってしまうとやはり曲を作る意味が感じられなくなってしまうものです。
より正確には、純粋に「曲を作りたい」と考えている作曲初期を経過したあとは、多くの場合において自己満足だけで作曲を続けていくのが難しくなる、ということです。
そんな時、最も効果を発揮するのがここで挙げた「誰かを想う」というやり方で、具体的にこれは
- 曲を聴いてくれる誰かを想い浮かべながら作る
- 誰かに依頼されて曲を作る
- 何かの目的のために曲を作る
などを指します。
この「誰か」がイメージできているだけで不思議とそれが曲作りのエネルギーとなり、それが曲を完成させようという行動力につながります。
このように、孤独な作業の中で常に誰かをイメージできるか否かが作曲を続けていくためのモチベーションになるのです。
作曲活動に自分以外の存在を加えるようにする
この「誰かをイメージすること」も、実際に一人で作曲を続けている場合には難しく感じるものです。
曲をネット上に公開するのはその打開策の一つとなるため、SNS等を上手に活用していけると理想的です。
また、リアルな人との交流を求める場合には、
- なんらかのバンド/ユニットのようなものを組み、メンバーに聴いてもらうことを想定する
- ライブなどを企画してお客さんに聴いてもらうことを想定する
- 家族や友人に聴いてもらうことを想定する
などのやり方も考えられます。
その他に楽曲を提供したり、なんらかの発注に沿って曲作りを行うこともできるます。
モチベーションに関して改善したい方は、この「誰かを想う」という点を実現するためにいろいろな可能性を探ってみて欲しいです。
9. 考えないと上手くならない
次の項目は作曲上達にとりわけ必要な考え方で、ここでコメントとして述べているように
「より良くするためには?」
と考えることの大切さを言い表したものです。
常に考える
どんなことにも通じるように、ただ何となくそれをこなしているだけでは決して上達できません。
それは作曲も同じで、それまで以上に良い曲を作ったり、多くの人に評価されるためには「考えること」が必要です。
そのために、
- 作った曲を振り返り、できたこと/できなかったことを明らかにする
- 曲をより良くするためにどんなことが必要かを考える
- 上記を踏まえて自分が身につけるべき知識や技術を追求する
などの行為が効果を発揮します。
ワンパターンなことをただ漫然と繰り返しているだけでは状況は進展していかない、という点をまず心に留め、常に考えることを作曲活動に加えましょう。
自分の作風を追求する
ここまでに述べた「曲分析の実施」「音楽理論の習得」などは「考えること」に通じるものですが、あわせてこれには
自分が表現するべき音楽性を明らかにする
という行為も含まれます。
作曲の最終的な目標は「その人にしか作れない曲を作ること」だと私は考えていますが、それはつまるところ音楽性や作風の追求だといえます。
日々の作曲を通して自分の中に根付いている音楽性や得意なものを見極め、考えながら作風を追求することが自分らしく作曲を続けていくために重要です。
10. センスと適当を混同しないで
次の項目も私が強調したいもののひとつで、作曲に慣れ始めた頃、特に心に留めておくべき心構えともいえます。
ここで挙げている「センス」という言葉は実に使い勝手の良いもので、その解釈を誤ることが無駄に遠回りにもつながってしまいます。
いい加減にやっているだけだと気づく
作曲はある種の芸術活動であるため、「わけのわからないことが」さも「立派なもの」として捉えられることも多いです。
この点は、既にご紹介した「難解より自然を選ぼう」という項目にも通じるところですが、それゆえにいい加減な作業を
「これが自分のセンスだ」
という解釈によってごまかしてそのままにしてしまうケースがあり、ここで述べているように、文字通り「センス」と「適当」を混同してしまう人が多くいます。
例えば、
- やり方がわからないから適当にやっただけ
- ただ雑に作っただけ
などの曲は「センスのある曲」とは全く違うもので、それはただ単にいい加減に曲作りをしているだけです。
まずこの点に気付くことが評価を得るうえでは重要で、それを経てきちんとした曲作りに向き合えるようになっていきます。
作曲上達のスタート地点に立つ
この点に気付けた人はより素直にいろいろなものを吸収し、必然的に自分の作曲レベルを向上させようと努力ができるようになります。
ここまでにご紹介した
- 曲分析の実施
- 音楽理論の習得
- 自分の作風を追求すること
などがまさにそれで、そのあたりを踏まえると、この「センスと適当を混同しない」という心構えは作曲上達のスタート地点に立つための考えになる、とも解釈できそうです。
11. 曲を作りきることが大事
次に挙げたのは「曲を作りきることの大切さ」を述べた項目です。
コメントとして加えている通り、曲作りの経験値は1曲を作りきることで得られます。
取り掛かったら作りきる
作曲初心者の人によくあるのが、
曲を作る→なんとなく作って放置する→また別の曲を作る→放置…
というパターンです。
これでは結果として何の技術も身につかず、また作品もできあがらないことで達成感も得られないため、このような状態は最も避ける必要があるといえます。
上記でも述べた通り、一度取り掛かった曲は大きな理由がない限り必ず作りきるべきです。
例え仕上がりがいまいちでも作りきることが大切で、それによって初めて
- できたこと/できなかったこと
- 次の曲ではどんなことをするべきか
- 自分に足りないもの
などを考えることができます。
1曲完成の敷居を下げる
そもそも、初心者の人にとってはその「作りきること」が難しくて途中で投げ出してしまうものですが、これを回避するために最も必要なのは
- 簡素な曲を作る
- 短い曲を作る
という点で、これは、つまり「1曲完成の敷居を下げる」ということを意味します。
立派で壮大な曲ほど完成させるために技術が必要となるのは当然で、その反対に例えば童謡のようにシンプルな曲であれば、技術に乏しい初心者でも無理なく作り上げることができます。
それを踏まえると
初心者の時点ではいきなり壮大な曲を作ろうとせず、まずは作りきることに重点を置く
という心構えが必要になるといえます。
まず曲を作りきることで経験値を積み、それを上達に還元しつつそこから徐々に聴きごたえのある曲を目指していく、という流れをとるのが理想的です。
12. 作曲できる自分を誇ろう
最後の項目は作曲者としての誇りについて言及したもので、この心構えがすべての作業の土台となります。
以前の自分があこがれていた姿
作曲に少し慣れくると、多くの人は
「どうせそれほど大したものは作れないし…」
と後ろ向きな考えを持ってしまうものです。
その考えが作業に向かう意欲を削ぎ、結果として曲の仕上がりもいまいちになってしまうことでさらにそのような感覚は強まっていきます。
そのような悪い流れを止めるのがここで挙げている
「自分を誇る」
という考え方で、これはある意味で精神論のようなものとも解釈できます。
作曲をまだ始めていない頃に持っていた
「音楽を作るっていいな」
という感覚を思い出し、現在の自分がそれに取り組んでいると考えれば必然的に誇りが持てるものです。
音楽を作る素晴らしさ
上記で挙げたような後ろ向きな考えは、少し作曲を経験し、自分の「程度」をそれなりに知ってしまったことによるものとも考えられます。
根本的な上達が見込めない限り「自分を誇る」ということは難しいもので、そこにはやはり別の観点もあわせて必要になるものです。
具体的には、
- 新しい音楽を聴くこと
- 新しい知識や技術を身につけること
- それらを踏まえて自分なりのペースで曲作りを継続させること
- 自分の曲に評価をもらうこと
などが考えられますが、いずれにせよそれらの取り組みを含め
「音楽を作ることは素晴らしい」
という感覚を常に持つようにすれば、意欲を持って作曲活動に取り組んでいけるようになるはずです。
まとめ
ここまで「作曲の心得12選」について詳しく解説してきました。
改めて12個の項目を以下に挙げておきます。
- 作曲に孤独は必要
- メロディはコードで化ける
- 難解より自然を選ぼう
- 楽器が弾けるとやっぱり強い
- 曲分析は超大事
- 音楽理論は便利
- 答えはないけど答えを探そう
- 誰かを想って作ろう
- 考えないと上手くならない
- センスと適当を混同しないで
- 曲を作りきることが大事
- 作曲できる自分を誇ろう
ここまでに解説した内容を含め、これらは私自身がこれまでの作曲活動を通して痛感したことで、また常日頃から心掛けていることでもあります。
是非、この「作曲の心得12選」を日頃の作曲活動に活かしてみてください。