こちらのページでは、音源を聴いてそこからコードを割り出す、いわゆる「耳コピ(耳コピー)」のやり方について解説をしていきます。
私はこれまでに仕事として、約7000曲ほどの曲音源からコード譜を起こす作業に携わってきました。
作業のほとんどは耳コピによって行ってきましたが、仕事を通して試行錯誤を続ける中で耳コピに慣れていない人でも実施できそうな方法がまとまってきたため、それをこちらで解説してみようと思います。
作業のポイントとなるのは以下の三つです。
- 鳴っている音を楽器などでしっかりと実音として把握する
- キーとダイアトニックコードの知識をもとにコード進行を想定する
- ベースの音など、伴奏をしっかり聴いてコードを確定していく
以下よりその手順とコツについて詳しくご説明していきます。
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目次
耳コピを行うための前提
音を聴きとる力が必要
耳コピを実際に行うためには、文字通り「音を耳で聴いて判別する力」が必要です。
これには楽器を活用しますが、例えば「ドレミー」と鳴っている音を聴いて、楽器を使いながら
「ああこれは『ドレミーだな』」
と判別できることが前提となる、ということです。
裏を返せば、楽器を使って確認しても鳴っている音が何なのかわからないという場合にはそもそも耳コピを進めることができません。
そのような場合には、耳コピに取り組む前にまずイヤートレーニングなどを通して音を聴き取ることに慣れるようにすると良いでしょう。
耳コピがしづらい曲もある
また、そもそも耳コピに向いていない曲も存在しています。
それは、例えば
- 伴奏やボーカルの音が極端に入り組んでいて音が聴き取りづらい曲
- セオリーを無視して作られている曲
などのことを指します。
そのため、基本的には
- カラオケで歌えるような曲
- ギター一本で弾き語れそうな曲
などを耳コピの対象として選べると理想的です。
また、こちらでの解説もそのような曲に対する作業を前提とします。
必要な環境・必要なもの
音源をしっかりと聴く環境が必要
実際に作業を始めるにあたり、当然のことながら耳コピをするための音源が必要となります。
そして、それを聴くための環境も必要です。
作業の中では音をしっかりと聴いてそれを詳しく判別していくため、私の場合は音源を聴くのにイヤホンを使用しています。
スピーカーから音を出した方がやりやすい人もいるかと思いますので、この辺りはそれぞれの好みや環境に合ったやり方で進めれば問題ありません。
楽器を使って音を把握する
また既に述べた通り、聴いた音を実音として把握するために楽器(ギターまたはピアノ)が必要です。
私は専門とする楽器がギターであるためそれを使っていますが、こちらも弾きなれたものを使えば良いでしょう。
楽器が弾けない人は…?
ここで
「そもそも楽器が弾けないと耳コピはできないのか?」
という疑問がわきます。
これについては、(厳しいことを言うようですが)楽器が弾けない人が耳コピをするのはかなり難しいと私は思います。
さらには、より正確に耳コピを実施するためになるべくいろいろなコードを楽器で弾きこなせるようになっておくことが望ましいです。
現在ではPC(DAW)を使いながら耳コピを実施することもできますが、やはり楽器を使って音を取っていくのがより直接的で作業も早いです。
ひとまず、こちらでは楽器を使ってやる耳コピを前提として解説をしていきます。
聴いた音やコードを書き留めるものが必要
あわせて、判別したコードを書き留めるための筆記用具やPC・スマホ(テキストファイル・メモアプリ)などが必要です。
私が仕事で行う時はPCの前に座り音源を聴きながらギターで音を出して、判別したコードをテキストファイルに打ち込んでいますが、このあたりもやりやすい形で問題ありません。
ここまでの準備ができれば、すぐにでも耳コピを実施していくことができます。
補足
以下のページでは、耳コピの作業に活用できるコード解析アプリについてもご紹介しています。
【コード進行解析の便利アプリ】YAMAHA「Chord Tracker」の使い方、便利な機能のご紹介
耳コピの実施
前提となる知識
耳コピを実施するにあたり、「キー」の概念を理解しておくことが欠かせません。
この「キー(調)」とは、簡単にいえば
「どんな音を主に活用しながら曲が作られているか」
ということを意味する音楽用語です。
また、その「主に活用する音の構造」にあたるものをポップス・ロックの音楽用語では「メジャースケール(またはマイナースケール)」といいます。
キー(音楽)について キー=「中心音」と「まとまりのある音のグループ」を意味する言葉 メジャースケールの内容とその覚え方、割り出し方、なぜ必要なのか?について
これは、例えば「キー=C(メジャー)」であれば
「Cメジャースケール」を主体として曲が作られている
ということを意味しており、これ以降で解説する耳コピの作業はそれを踏まえて行うものです。
作業は、音を耳で聴いて「どんな音が使われているか?」という点を明らかにし、それによってキーが明らかになることでコードを特定することができるようになる、という流れによって進められます。
手順の概要
以下が耳コピのおおまかな手順です。
- 音源を聴いて、聴きとりやすい音を音名にする
- それらの音からメジャースケール(=キー)を割り出す
- 曲のキーをもとにダイアトニックコードを明らかにして、コードを予測する
- 音源に合わせてコードを演奏し、曲に合うかどうかを確認する
- ベースラインや他伴奏を聴きながらコードをより詳しく予測しながら確定させていく
ここからは、それぞれについてより詳しく解説していきます。
1. 音源を聴いて、聴きとりやすい音を音名にする
まず作業は音源を聴いて音を実音として把握するところから始まります。
この作業は、既にご説明した通り「曲にどんな音が使われているか?」を明らかにする行為です。
上記の観点から、まず耳で聴いたいくつかの音を楽器によって実音に起こしていきます。
曲の最初からやらなくてもいい
ここでポイントとなるのが、
「音源の最初の部分から音を明らかにしようとしなくてもいい」
という点です。
というのも、ポップス・ロックなどにおいて最も聴き取りやすいのはボーカルの声で、それが確認できるのはほとんどの場合Aメロなど歌のブロックが始まる部分、またはサビなどの曲中盤部分です。
曲の中で使われている音が確認できればそれで良いため、この「聴いた音を実音で把握する」という行為はボーカルがはっきりと聴こえる部分を活用して行うのが最も効率的です。
明確に判別できる音・短いメロディをその材料とする
また音を判別するためには、聴き取りづらいメロディではなく、しっかりと音が鳴っていて明確に「この音だ」とわかるメロディをその材料としてください。
実音に起こす範囲は目安として二小節~四小節程度で、いくつかの音が聴き取れれば短いメロディで問題ありません。
- 聴き取りやすい音を活用して、それを実音に起こす
- 二小節~四小節程度で、いくつかの音が含まれる短いメロディをその材料とする
この作業が思うようにできない人も多いはずですが、一部分を何度も聴いて、楽器を触りながら音を探っていると次第に音が明らかになっていくはずです。
また、この「音を耳で聴いて実音にする」という作業は耳コピの本質ともいえる行為ですが、経験を積むことで次第に上達していきます。
メロディを音名にできない場合
ここで、
- ボーカルのメロディが複雑
- 特殊な音使いをしている
などによりメロディを音として上手く把握できないことがあります。
そのような時はベースラインや長く伸びている伴奏の音に注目して、それらの音を材料としてみて下さい。
いずれにせよ、曲の中で使われている音のうちのおおまかな部分を実音にして把握するということを目的として作業を進めていきましょう。
2. メジャースケール(=キー)を割り出す
音を実音として把握することができたら、手順の二番目として行うのは
- メジャースケールの確認
- キーの判別
です。
まず最初に、実音にしたメロディがどのメジャースケールに属するか、という点を考えていきます。
進め方の例
例として、ここまでの手順を通してサビ冒頭のメロディが
ラーララーミ、ミーレード#、シード#ーレ、ド#ーシラ
という音名だと把握できていたとします。
ちなみに、これはSMAP「世界に一つだけの花」のサビ冒頭メロディの音名です。
そのうえで、この次に行うのは上記で述べた通り
「このメロディにある『ラ』『ミ』『レ』『ド#』がどのメジャースケールに属するか?」
を確認する作業です。
具体的には、実際にメジャースケール一覧を見ながらそれを照合していきます。
以下はメジャースケール一覧の表です。
上記表に赤枠を付けているように、例として挙げたメロディにある「ラ」「ミ」「レ」「ド#」は
- 「Dメジャースケール」
- 「Aメジャースケール」
に含まれていることがわかります。
このことから、
「メロディの音は『D』または『A』のメジャースケールに属している」
ということがまず把握できます。
そのうえで、
「メロディの音は『D』または『A』のメジャースケールに属している」=「この曲のキーは『Dメジャー』または『Aメジャー』ではないか?」
と予測することができるようになります。
- 「メロディの中で使われている音を含むメジャースケールは何か?」を照合する
- そこから、曲のキーが予測できる
メジャースケールの取り違えについて
メロディとメジャースケールを照合していく際に注意すべきは、誤ってキーを取り違えてしまわないようにする、という点です。
例えば、上記例における「ラ」「ミ」「レ」の三音は、以下に示す通り「Cメジャースケール」「Gメジャースケール」にも含まれています。
そのため、深く考えずに作業を行っていると
「このメロディは『Cメジャースケール』ではないか?」
などと取り違えてしまうことがあります。
ここで注目すべきは、メロディの中にある「ド#」の音です。
ラーララーミ、ミーレード#、シード#ーレ、ド#ーシラ
この「ド#」は短い構成の中に3回登場しており使用頻度が高いことがわかりますが、反面で上記「Cメジャースケール」「Gメジャースケール」に「ド#」は存在していません。
正確には、「ド」は存在していますが、そこに#が付いていない、ということです。
このことから
「使用頻度の高い音がスケールに含まれていない→このメジャースケールではなさそうだ」
というような判断ができます。
このように、メロディからメジャースケールを判別する際には
- 何度も使用されている音
- 長く伸ばしている音
- 強いアクセントを持っている音
などを重視するようにしてみて下さい。
メジャースケールがわからない場合
メジャースケールを判別する際にその判断を迷わせる原因となるのが、メジャースケール以外の音です。
曲によってはそれらの音を沢山使っていたり、そもそもメジャースケールを度外視してメロディを組み立てていることも頻繁にあります。
そのような時には、なるべく広い範囲から改めて音を拾うようにしたうえで、
「メロディで使われている音の多くを含むメジャースケールはどれか?」
という観点で照合してみると、よりスムーズにメジャースケールを割り出すことができるはずです。
3. 予測できた曲のキーをもとにコードの候補を上げ、キーを確定させる
曲に使われている音からキーがある程度予測できたら、次の手順としてそのキーの「ダイアトニックコード」を明らかにします。
ダイアトニックコードとスリーコード 概要や成り立ち、コードの役割などについて
前述の例では、
「この曲のキーは『D(メジャー)』または『A(メジャー)』ではないか?」
という予測ができていました。
そこからその「D」または「A」のダイアトニックコードを明らかにすることができます。
以下はダイアトニックコード一覧の表(三和音版)です。
前述した、
「この曲のキーは『D』または『A』ではないか?」
という予測が正しければ、曲のコード進行は基本的にそれらのキーにおけるダイアトニックコードを使って作られていることになります。
それを確認するため、次の手順としてダイアトニックコードから「そのキーを象徴するようなコード/コードの動き」がどのようなものになるかを明らかにします。
- 予測したキーをもとにダイアトニックコードを割り出す
- そのダイアトニックコードをもとに「キーを象徴するコード/コードの動き」を明らかにする
「キーを象徴するコード・コードの動き」とは?
「キーを象徴するようなコード/コードの動き」とは、ダイアトニックコード内の
- 「I」(主和音)
- 「IV→V→I」
- 「IIm→V→I」
などを指します。
以下は、「キーを象徴するようなコード/コードの動き」を上記例で予測できていた「キー=D」「キー=A」に当てはめたものです。
- 「D」(I)
- 「G→A→D」(IV→V→I)
- 「Em→A→D」(IIm→V→I)
- 「A」(I)
- 「D→E→A」(IV→V→I)
- 「Bm→E→A」(IIm→V→I)
これらの中でも特に主和音(I)のコードは重要で、このコードはキーを代表するような響きを持っています。
コード進行においてはこのコードが始まりになり、また終わりにもなり、展開したコードは最終的に「I」に着地し、曲に安定感をもたらします。
※このような「I」向かって着地するようなコードの流れは音楽用語で「終止」などと呼ばれます。
終止の詳細とその種類(全終止・偽終止・アーメン終止・サブドミナントマイナー終止など)
耳コピは、言い換えれば
「コードの予測を立て、それを音源に当てはめて確認しながら確定させていく作業」
ですが、この手順を通して予測できた上記のコードやコードの動きがまさにその材料となります。
音源に合わせてコードを演奏し、曲に合うかどうかを確認する
ここまでを通して、
- キー
- ダイアトニックコード
- そのキーを象徴するコードの動き
の予測ができているため、次なる作業として「コードの響きが曲に合うか」という点を確認していくことができます。
予測できたコードやコード進行を音源に合わせて楽器で演奏し、鳴っている音にぴったりと調和するかを耳で判断していきます。
具体的には、以下のようなやり方で進めることができます。
- Aメロ/サビなど、各ブロックの冒頭や末尾で「I」のコードを弾いてみる。
- ブロックの締めくくりの部分などで「V」や「IV→V」「IIm→V」などのコードの流れを弾いてみる。
上記を、すでに予測できていた「キー=D」「キー=A」に当てはめると以下のようになります。
- Aメロ/サビなどの冒頭や末尾で「D(I)」のコードをひいてみる。
- ブロックの締めくくりの部分などで「A(V)」や「G→A→D(IV→V→I)」や「Em→A→D(IIm→V→I)」を弾いてみる。
- Aメロ/サビなどの冒頭や末尾で「A(I)」のコードをひいてみる。
- ブロックの締めくくりの部分などで「E(V)」や「D→E→A(IV→V→I)」や「Bm→E→A(IIm→V→I)」を弾いてみる。
- 音源に合わせて予測したコードやコードの動きを演奏してみる
- それぞれがぴったりと響き合うか(コードが正しいか)を確認する
ここでの例の場合、上記で挙げた「キー=D」「キー=A」の双方のパターンを「世界に一つだけの花」の音源に合わせて弾くと、
- Aメロやサビの冒頭では「キー=A」を象徴する「A(I)」というコードや、サビの締めくくりの部分で「E→A(V→I)」というコードがより綺麗に響く
- 「キー=D」を象徴する「D(I)」のコードやコード進行を同じように音源に合わせて弾いてみると「なんだか違う」という感じがする
ということなどがわかります。
このことから「キーは『A(メジャー)』である」と、キーを確定することができます。
4. ベースラインや他伴奏を聴きながらコードをより詳しく予測しながら確定させていく
ここまでくれば、あとはキーとダイアトニックコードの概念を拠り所としてコードを確定させていくのみです。
次の手順として、音源のベースラインや伴奏を聴いてコードをより詳しく確定させていきます。
コードを確定させる方法の例:音源のベースラインの音から判断する
こちらの例では、既に「キーは『A』である」と特定できていました。
そこから、既に挙げた通り「Aメジャーダイアトニックコード」(以下表)のメンバーをコード進行の候補として用意することができます。
そのうえで実際に音源を聴いてその部分で鳴っているベースの音を明らかにし、それとダイアトニックコードを紐付けながら
どのようなコードがそこで成り立っているか
という点を確定させていきます。
ベースを聴く際に、具体的には
- 小節の最初に鳴らしている音
- 表拍で鳴らしている音
- アクセントを強く置いている音
に注目して音を確認するようにしてみて下さい。
コードの確認例
ここで、例えば対象となる曲の一部分でベースが「B(シ)」の音を主体として弾いていた場合、
ベース(=ルート音)が「B(シ)」を弾いている
↓
(既に確定させていたキーのダイアトニックコードである)「Aメジャーダイアトニックコード」における「ルート音=B」のコードは「Bm」
↓
その部分のコードは「Bm」ではないか?
というような予測ができます。
そのううえで音源に合わせて楽器で「Bm」を演奏し、コードの響きが音源と調和するか(間違いがないか)を確認し、コードを特定していくことができます。
これは、例えば同じようにベースが「F#(ファ#)」を弾いていたら、それに合うコードの第一候補として「F#m」を挙げることができる、というようなことを意味します。
音源を聴いてコードを予測し、演奏で確認する
上記例のような
「音源確認」→「ダイアトニックコードを元にしたコードの予測」→「演奏による確認」
という手順を繰り返していくことで、基本的にはすべてのコードを割り出すことができます。
既にご紹介した例はベースラインをもとにしたものですが、これは伴奏全般にも適用できるものです。
つまり、例えば
「ここでのギターがXXの音を鳴らしている」
↓
「ダイアトニックコード上、その音を含むコードは〇〇」
↓
「このコードを音源に合わせて弾いて確認してみよう」
という手順がとれる、ということです。
上記手順でコードに違和感を感じる場合(1)
もちろん曲には沢山の例外があり、上記で表として挙げた「三和音版のダイアトニックコード」以外のコードが使われていることも多々あります。
そのような時には上記手順における「演奏によるコードの確認」を実施したときになんらかの違和感を感じるはずです。
その場合には、まず「予測している三和音のダイアトニックコード」に対して以下の三点を実施してみて下さい。
- コードに「セブンス」を付ける
- コードのメジャーをマイナーに、またはマイナーをメジャーにする
- 上記二点を複合する
例えば、前述の通りベース音「B(シ)」から「Bm」のコードを予測して、音源に合わせて確認したところその響きに違和感を感じた、とします。
その際には、「Bm」を
- 「Bm7」(セブンス付加)
- 「B」(メジャーコード)
- 「B7」(メジャーコードにして、さらにセブンスを付加する)
などにすることを実施してみて下さい。
上記手順でコードに違和感を感じる場合(2)
さらには、上記に加えて、ダイアトニックコードの「I」または「IV」を割り当てて響きに違和感を感じるときには、それぞれを
「メジャーセブンス」のコードとすること
も検討してみて下さい。
具体的には、例えば「Aメジャーダイアトニックコード」から「A(I)」のコードを予測して確認したところ響きに違和感があったとします。
その場合に、コードを「AM7」にしてみる、ということです。
それでもまだコードに違和感がある場合
上記手順を通して、それでもまだ予測したコードの響きに違和感を感じることもあります。
そのような場合には、あらゆる伴奏の音やコードの流れを拠り所として考えられるコードを探っていくことになります。
そこでは
- 分数コード
- ディミニッシュコード
- テンションコード
- 他変化和音
など、そこにはさまざまなコードが想定できますが、それらを導くための解説は多岐にわたるためこちらでは割愛します。
そもそもキー以外の音が鳴っている場合
また、ここまでの例外に加えてそもそも
「そのキーに属していない音を使っている」
というケースも多々あります。
これは、上記の例で言えば、例えば「D」ではなく「D#」などがベースとしてしっかりと鳴っているパターンを指します。
そのような場合にも「ダイアトニックコード以外のコード(ノンダイアトニックコード)」としてさまざまなコードが想定できます。
初心者の向けの解説ということで、こちらではそれらへの言及を省略しますが、このあたりの判別は音楽理論をしっかりと学ぶほどに対処できるようになっていきます。
※音楽理論の学習については以下のページも参考にしてみて下さい。
音楽理論を知りたい人のための「学習の見取り図」※独学に活用できる「音楽理論の何をどの順番で学べばいいか」のまとめ
まとめ
ここまで、「耳コピ(耳コピー)」のやり方について解説してきました。
膨大な内容となってしまいましたが、要点をまとめると以下のようになります。
- 鳴っている音を実音として把握する
- 実音をもとにメジャースケール=キーを明らかにする
- キーをもとにダイアトニックコードと象徴的なコード進行を割り出す
- 音源に合わせてそれらを演奏し、キーをしっかりと確定する
- 確定したキーをもとに、音源のベース音や他伴奏の音を聴いてコードを確定していく
慣れないうちはすべての作業が大変だと感じてしまいますが、繰り返し行っていくことで徐々に上達していきます。
また上記を進めるうえでポイントとなるのは「例外への対処」で、これも耳コピの作業そのものに慣れたり、音楽理論を学ぶことで少しずつ対応できるようになっていきます。
まずは簡単な曲を通して耳コピの作業に慣れ、そこから段階を経ていろいろな曲に挑戦していくと無理なく取り組んでいけるはずです。
こちらのページの解説を参考に、是非耳コピを楽しんでみて下さい。
ポップス・ロック作曲の上達につながる「曲分析ガイドブック」について知る
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