こちらでは、キーを「Cメジャー」に限定して、そこで使えるコード進行を15パターンほどご紹介していきます。
「キー=Cメジャー」は音楽を考えるうえで基本とされるキーであるため、コード進行について理解が浅いという方も、是非これらを活用して作曲を進めてみて下さい。
目次
基礎編
1. 典型的な構成
トニックの「C」から始まり、それをサブドミナント「F」、ドミナント「G」へ経由させるという、最も基本的な構成です。
通常「G」の後には安定を求め「C」を配置しがちなところですが、この例のように「Am」を置き、少し響きに変化を加えることもできます。
このような形は「偽終止(ぎしゅうし)」などと呼ばれます。
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終止の詳細とその種類(全終止・偽終止・アーメン終止・サブドミナントマイナー終止など)
2. やや都会的なコード進行
こちらは「C」のすぐあとにドミナント「G」が置かれているケースです。
この場合コードは若干波立ような雰囲気を生みますが、その直後の「Am」がそれを落ち着かせる働きをしています。
流れの最後にサブドミナントの「F」を配置しているところが、どこか都会的です。
3. 逆循環コードの活用
こちらはサブドミナントコードである「Dm」を構成の冒頭に置いているパターンです。
「逆循環コード」などとも呼ばれるこのコード進行はセッションなどでもよく活用され、流れをそのまま何度も繰り返すことができます。
これを素直に「C」から始めると「C→Am→Dm→G」のようになります。
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循環コードの詳細と成り立ち・派生形や「逆循環コード」についての解説など
4. 四和音でルートを上げ下げする構成
こちらは四和音のコードを活用し、通常「C」「Dm」「Em」となるところ、それぞれに「M7」「7」等を付加しています。
ここでの「M7」「7」などにあたる7度の音は「Cメジャースケール」内に含まれるため、四和音の形を持ちながらもダイアトニックコードのみによる構成として分類できます。
ルートの流れが「C→D→E→D」と、高音側に移動しつつそこから戻ってくるような形になっているところが特徴です。
5. 「IIIm」から始めるコード進行
ダイアトニックコードにある「IIIm」のコードは扱いに注意が必要なコードとされていますが、この例における「Em7」のように、やり方によっては構成の冒頭にそれを配置することもできます。
ここでは直後に「Am7」を置いているところがポイントで、それにより「Em7」の響きが無理のないものに感じられます。
このような構成は、ダイアトニックコードの度数を元に「3625(さん・ろく・に・ご)進行」などとも呼ばれます。
6. 「IV」からルートを上げ下げする構成
基礎編の最後はサブドミナントの「F」からドミナントの「G」、そして「Am」へ進みまた「G」へと戻ってくる構成です。
こちらも前述した「4」の例と同じく、ルートが「F→G→A→G」というように、上がって下がるような流れとなっているところが特徴です。
このように、ダイアトニックコードにおける「IV→V→VIm→V」というコード進行を活用した曲は頻繁に見かけることができます。
応用編
7. セカンダリードミナントコードの活用
ダイアトニックコードにおける「I」以外のコード直前には、流れを作るために「〇7」のコードを配置することができますが、こちらではその例として「Am7」の直前に「E7」が置かれています。
この例における「E7」は「セカンダリードミナントコード」と呼ばれ、ダイアトニックコード外のコード(ノンダイアトニックコード)として最もよく活用されます。
これにより、コード進行の中に特徴的な響きを盛り込むことができます。
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セカンダリードミナントコード 成り立ちとその表記などをわかりやすく解説します
8. サブドミナントマイナーコードの活用
ここでは、サブドミナント「F」の直後にそのマイナー版である「Fm」が配置されており、「F」に含まれる構成音「ラ」の音が「ラ♭」に変化することを体感できます。
この「Fm」は「サブドミナントマイナー」と呼ばれており、前述した「セカンダリードミナント」と共にノンダイアトニックコードとしてよく見かけられます。
前後関係をそこまで意識せず、ひとつのサブドミナントコードとして比較的手軽に活用することができます。
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サブドミナントマイナー(コード) その概要と使い方
9. 「♭III」の活用
この例における「E♭(♭III)」は、「キー=Cメジャー」と同じ「ド」という中心音を持つ「キー=Cマイナー」から連想されたコードです。
それにより、響きに少し暗い雰囲気が含まれているところが特徴で、このようなコードもノンダイアトニックコードとして活用することができます。
ややロックな雰囲気を盛り込みたい時などに重宝するコードです。
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フラット系三種のノンダイアトニックコード 同主調マイナーからの借用
10. 「♭VI」の活用
前述した「E♭」と同じく、ここでの「A♭(♭VI)」も「キー=Cマイナー」から連想されたコードです。
ここではサブドミナントの「Dm7」から直接「A♭」へ進行し、ダイアトニックコードを省いてそのまま「C」へと落ち着いています。
この「A♭」は既にご紹介した「サブドミナントマイナー」の代理コードとして使用されることもあります。
さらに応用編
11. パッシングディミニッシュコードの活用
ディミニッシュコード(dim)の最も代表的な活用方法を例にした構成です。
このように、例えば「C」と「D」という二つのルートの間には「C#」という音が存在しますが、その音をルートにしながらディミニッシュコード(パッシングディミニッシュ)を活用することができます。
「C#dim」は「Dm7」のセカンダリードミナントコード「A7」に似た響きを持っており、そのような理由から成り立つ構成であるともいえます。
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ディミニッシュコード 概要と使い方などの解説・パッシングディミニッシュ・セブンス置換
12. フラットファイブコードを「ツーファイブ」で盛り込んだ構成
前述の「セカンダリードミナントコード」を活用した「E7→Am」という構成に「Bm7-5」を挿入した例です。
ここでは「Bm7-5→E7」という構成が「ツーファイブ」の形となっており、それによってあまり使われることのない「Bm7-5」をコード進行の中に盛り込むことができています。
このように、あらゆる「〇7」のコード直前に、それに見合った「IIm7」または「IIm7-5」を挿入することができます。
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ツーファイブとは?(概要と基本的な成り立ち、活用方法、マイナーキーにおける例など)
13. ブルース風コード進行
ここではすべてのコードをセブンス化しており、ブルージーな雰囲気を盛り込みたい時にはこのような構成も検討できます。
ここでの「B♭7」は前述した「キー=Cマイナー」から連想できたコードのアレンジ型で、それを「C7」「F7」に挟んで活用しています。
「C7」「F7」は厳密にいえばダイアトニックコードではないため、すべてのコードがノンダイアトニックコードとなってしまっていますが、このようなコード進行も基本的には「キー=Cメジャー」として扱われます。
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ブルースコードの概要とコード進行の例・バリエーション(ジャズブルースなど)
14. クリシェの構成
「C」におけるルートの「ド」の音を、順番に「ド→シ→シ♭」と下げることで、「CM7」「C7」のコードを生み出しています。
このようにコードをつなげる手法を「クリシェ」と呼び、安定感がありながらも響きに変化を加えることができるコード進行として様々な曲で活用されています。
「C7」の後には、クリシェを維持してさらに音を変化させた「C6」というコードも連想できますが、こちらでは「C7」をセカンダリードミナントコードと捉えて「F」のコードを配置しています。
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クリシェの技法解説 コード進行におけるクリシェの概要と典型的な使用例、アレンジ例など
15. 裏コード+テンションコード
最後にご紹介するのが「裏コード」と呼ばれるコードを活用した構成で、この例における「D♭7(9)」がそれにあたります。
裏コードは「V7」(「キー=Cメジャー」における「G7」)の代理をするもので、ドミナントコードのありがちな響きをさけ、流れにひねりを加える働きをしてくれます。
また、この例ではナインス(9)のテンションを加え、すべてのコードをテンションコードとしているところもポイントです。
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裏コードについて ドミナントコードの代理ができるコードを解説
テンションコード 概要とコード表記、コード進行例などの解説
補足
以下のページでは、コード進行の実例が掲載された書籍を複数ご紹介しています。
コード進行本のおすすめ7選|コード進行を知りたい・理解したい・作れるようになりたい人のための本をご紹介します。
まとめ
ここまで「キー=Cメジャー」のコード進行パターンについてご紹介してきました。
冒頭でもお伝えしたように、「Cメジャー」のキーにおける音使いは音楽の基本となるものですが、これらを構造としてきちんと理解しておけば、それを他のキーに置き換えても活用することができるようになります。
使用する際には是非そのあたりも心に留めながら、コード進行の構造を意識しつつ音を鳴らしていくようにしてみて下さい。
※その他のコードパターン紹介ページはこちら
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